【全豪OP】大坂なおみ 初戦圧勝のウラに7億円LA豪邸〝大坂城〟効果

難なく2回戦に駒を進めた大坂(ロイター)

絶好調の要因は? 女子テニスの世界ランキング3位・大坂なおみ(23=日清食品)が全豪オープン1回戦(8日、メルボルン)で同39位のアナスタシア・パブリュチェンコワ(29=ロシア)に6―1、6―2のストレートで圧勝。自身4度目の4大大会制覇へ好スタートを切った。新型コロナウイルス禍の影響を受ける今大会は体調面で悩む選手が多いが、大坂はどこ吹く風。シーズンオフに過ごした米ロサンゼルスの〝大坂城〟が、最高の結果をもたらしているようだ。

大坂が2年ぶりの全豪制覇へ向けて最高のスタートを切った。この日は最大の武器となるサーブが絶好調。ブレークを許したのはわずか1ゲームという安定感を誇った。試合を生中継したWOWOWで解説を務めた元プロテニス選手でスポーツキャスターの松岡修造氏(53)が「絶対に優勝できる」と断言するほどの圧勝劇だった。

大坂は「いつものように昨晩も眠れなかった」と明かしつつ「緊張する中で良かったと思う。自分のショットを無理せずにできていた。サービスが進化している」と充実の表情を浮かべた。試合直後には自身のツイッターを更新。1回戦(ラウンド1)を意味する「R1」の文字の横にチェックマークを記し、ファンにも快勝を報告した。

大会前の大坂はエキシビションマッチが行われたアデレードで調整。新型コロナの影響で厳しい練習制限を受けたメルボルン組とは異なり、ホテルのジムを自由に使えるなど一部トップ選手だけの〝優遇措置〟を受けた。テニス関係者が「実力ある選手が特別扱いされるのは当然の世界」と言うように、最高の環境で大会を迎えることができた。しかし、それ以上の〝アドバンテージ〟がシーズンオフにあった。

2019年夏、米ロサンゼルスのビバリーヒルズの高台に7億円を超える豪邸を購入。昨年の全米オープンの前にはコーチのウィム・フィセッテ氏(40=ベルギー)やトレーナーなど「チーム大坂」が集結し、約10週間の合宿を張って全米制覇という結果を出したことで知られている。

この拠点がコロナ禍では、さらに〝威力〟を発揮した。練習場所の確保に苦労する選手が続出する中、大坂は今オフもチームのメンバーと充実した環境でトレーニングを積むことができたのだ。例年、シーズンオフは日本でのスポンサー巡りと決まっているが、コロナ禍で今オフは一度も来日せず。〝大坂城〟での練習に専念できたことも、結果的にはプラスに作用した。

この日の白星で全米オープン前哨戦から続く連勝(棄権を除く)を「15」とし、自己最高記録を更新。この結果がオフの充実を如実に物語っている。次戦(10日)の相手はカロリーヌ・ガルシア(27=フランス)。この日の完勝を見る限り、大坂に死角は見当たらない。

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