しくじり男も見捨てない! 矢野阪神が万全「新人ケア」球団に

紅白戦で乱調だった佐藤蓮(右)と話す阪神・矢野監督

戦力の底上げは万全のアフターフォローから、ということか。2005年以来のリーグVを目指す矢野阪神が〝親身の指導〟で若手の奮起を促そうと必死だ。

7日に7回制で行われた紅白戦では最終回に登板したドラフト3位新人の佐藤蓮投手(22=上武大)が4四死球2失点と大荒れ。予定の1イニングを投げ切ることなく、首脳陣は7回二死で試合を打ち切った。この日は守備力を買われている即戦力候補の同6位・中野拓夢内野手(24=三菱自動車岡崎)も2失策。両ルーキーにとってはホロ苦い一日となってしまった。

しかし、矢野燿大監督(52)は〝しくじり男〟を見捨てるのではなく、救いの手を差し伸べた。一夜明けた8日午後に佐藤蓮を室内練習場に呼び寄せ、福原、金村両投手コーチが立会う中、投球フォームの修正に着手。サブグラウンドでは守備担当の久慈、藤本両コーチと臨時コーチの川相昌弘氏に見守られながら中野が徹底的に守備練習を行った。

「一昔前ならミスを犯した選手は突き放し、自力で這い上がらせるのが当たり前だった。そういう意味では矢野監督のやり方は時代に即し、選手に寄り添ったもの。佐藤蓮らも意気に感じてくれるはずだ」と球団関係者。ドラフト1位ルーキー・佐藤輝明(21=近大)ばかりに注目が集まりがちな今キャンプだが、矢野監督の哲学や細やかな心配りは細部にまで及んでいる。

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