名捕手・モリーナがカージナルス残留 1年契約で合意との報道

ゴールドグラブ賞9度の実績を誇る名捕手ヤディアー・モリーナはメジャー18年目の今季もカージナルスでプレーすることになった。地元紙「セントルイス・ポスト・ディスパッチ」のデリック・グールドによると、カージナルスとモリーナは1年契約で合意。今オフ、キャリアで初めてフリーエージェントとなったモリーナは、希望していた2年契約を得ることはできなかったものの、カージナルス一筋のフランチャイズ・ヒーローとしてキャリアを終える可能性が極めて高くなった。

長年バッテリーを組んできたアダム・ウェインライトとともに「カージナルス残留が第1希望」であることを明言していたモリーナは、オフシーズン当初から残留が有力視されていた。しかし、新型コロナウイルスによる財政難の影響でカージナルスはモリーナが希望している2年契約をオファーできず、交渉は長期化。ヤンキース、パドレス、ブルージェイズなど他球団からの関心も報じられたが、最終的には「相棒」のウェインライトとともに今季もカージナルスでプレーすることになった。

近年は攻守両面で数字が落ち、年齢による衰えを隠せなくなっているモリーナだが、この名捕手の価値は目に見える数字だけでは表せない。圧倒的な存在感を放つチームの精神的支柱であり、モリーナがマスクを被っているだけで投手陣は自信を持ってボールを投げ込むことができる。近年のカージナルスはハイレベルな投手力と守備力を武器とした「守りのチーム」となっているが、それを支えているのは間違いなくモリーナだ。「モリーナを失うダメージは予想している以上に大きいだろう」と語る関係者もおり、モリーナの流出を阻止できた意味はカージナルスにとって非常に大きい。

今オフ、カージナルスはモリーナ、ウェインライトとの再契約を最優先課題としていたが、それを無事にクリアし、得点力不足解消の切り札としてノーラン・アレナードの獲得にも成功。所属しているナショナル・リーグ中部地区はあまりレベルが高くないため、アレナードを獲得したカージナルスを地区優勝の最有力候補に挙げる声も多い。モリーナにとって、自身3度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げるチャンスとなりそうだ。

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