話題沸騰の新しいSNS「Clubhouse」 そこに危険は本当にない?

今話題の音声プラットフォーム「Clubhouse(クラブハウス)」。多くのユーザーが利用し始めていますが、そこに本当に危険性はないのでしょうか?日本メディアリテラシー協会理事長の寺島絵里花氏が、「Clubhouse」の現状に迫ります。

彗星のごとく現れた新しいメディア:Clubhouseと音声プラットフォーム

今、最もホットな話題としてシリコンバレー発の「Clubhouse」という音声プラットフォームが人気です。Googleトレンドでも、年末から徐々に「Clubhouse」について検索する人が増えているのがわかります。

googleトレンドより画像参照:https://trends.google.co.jp/trends/explore/TIMESERIES/1612834800?hl=ja&tz;=-540&date;=today+3-m&q;=Clubhouse&sni;=3

昨今、インターネットの普及に伴い、インターネットを介した音声コンテンツを配信する、デジタル音声メディアが普及してきています。日本では、インターネットラジオやポッドキャスト、オーディオブック、Voicyといった音声アプリなど、音声メディアと一口に言っても、多くのサービスが該当します。

日本だけでなく、中国最大手の音声プラットフォーム「himalaya」は、アプリのダウンロード数が6億を超え、海外ユーザーも5千万を超えようとしています。日本でも2017年から展開していますが、日本ではまだ知名度が高くはありません。

そのような中、2021年の1月下旬に登場した新しいメディアは、テレビや雑誌・新聞といった多くのメディアで紹介されました。音声プラットフォームの「Çlubhouse」がなぜ流行っているのか、その理由と、他のSNSメディアと何が違うのかについて確かめてみましょう。

人気の秘密はどこにある?

Clubhouseは、2020年に創業しサンフランシスコに拠点を置く米Alpha Explorationが、同年3月に立ち上げたソーシャルサービスです。プラットフォーム上に好きなテーマで自分のチャットルームを開設し、世界中の人々と会話できるというのがコンセプトになっています。

Clubhouse: Drop-in audio chat

日本で人気となった理由は、コロナ禍で2回目の緊急事態宣言が発令し、外出自粛を余儀なくされる中、多くの人が他人との対面コミュニケーションや新しい出会いに飢えていたことが、一番の理由だと考えられます。

もちろん、招待制であることも影響しており、スタート当初は1人2名までの招待枠しかなかったため、招待された人の心理的に特別感が増し、うれしいと感じた人も多かったようです。アカウントの招待がほしいために、メルカリなどのフリマアプリで、招待枠を売買されるといった現象も起こりました。

また、手軽さも人気の秘密です。Zoomなどオンラインカメラ上でデジタルコミュニケーションを図る際、自宅の様子が見えてしまったり、女性であれば身なりやお化粧など事前の準備が必要ですが、音声のみなので、早朝や深夜であっても気軽に発信できます。

多くの芸能人や文化人といった著名人もアカウントを作成し、テレビでも多く取り上げられ、さらにユーザーが増えている状態です。YouTuberやインスタグラマーといった商業の次は、クラブハウサーといった名前がつくようにまでなっています。

意外と知られていない未成年の利用規約

プロフィール画面では、TwitterとInstagramと連携ができます。どちらも利用規約では13歳以上が使えますが、Clubhouseは、現在利用できる年齢制限として、SNSの中でも最も遅い18歳からという規約があります。しかしながら、年齢制限を確認できるシステムにはなっていないため、現実的に小学生や中学生のアカウントも見かけました。

また、原則、Clubhouseは実名制です。友人などを招待するときも電話番号を利用します。さらに、プロフィールを開くと招待者名と参加した日にちが表示されるなど、招待者と紐づいているため、信頼性は高いといえるでしょう。今後、小学生や中学生を招待してしまった大人への責任が問われるかもしれません。

Clubhouseのおもしろい点の中で、他のSNSと大きく違うことがあります。それは、いいね!の数やコメント欄がなく、DMといった直接のメッセージのやり取りができないという点です。

もう一つは音声がアーカイブとして残らない点。保存機能がありません。匿名の誹謗中傷やコメント荒らしなどがしにくいので、トピックに関心がある人たちが集いやすいという利点があります。また、規則上、音声を録音することも禁止されています。

一方で、海外ではヘイトスピーチや人権に関するようなデモ集会の場ともなっており、使い方によっては、危ないこともあるかもしれません。録音できないからといって、他の人に対してどんなことでも発していいわけではありません。録音できない規則の中で、もし誹謗中傷やプライバシー侵害にあった場合の問題解決についてはまだ保証されておらず、課題となっていることも、みなさんにはお伝えしておきたいと思っています。

使い方次第では、素晴らしいデスカッションもでき、有意義な時間を過ごせるので、使うのではあれば賢く使うことをオススメします。

筆者も、この2週間でClubhouseを実際に使ってみました。現行はiPhoneなどのアップル社の端末のみで、Androidユーザーは今後ダウンロードができるようになるそうです。

英語版だけのリリースだったため、英語が苦手といった方も楽しめるように、訳して写真付きでClubhouseの使い方をブログにまとめてみました。どなたかのお役に立てたらと思います。

https://ameblo.jp/the-base-of-tokyo-tower/entry-12654459262.html?fbclid=IwAR0G_VIPoPTIaZpyCIdB9mMVp4MeqOh6YhtuGVdIKA_F-rLAZ6BkWxuWXR0

ママパパが本音で語るICT教育

また、せっかくなので、Clubhouseを活用して新しい取り組みを行うことにしました。

ここ数か月で、たくさんのお母さんやお父さんから「タブレットを学校から持って帰ってきた」というメッセージをもらうことが増えました。GIGAスクール構想で、一人一台タブレットの配布が全国的に始まったのです。しかし現実的には、家庭で困っている保護者が多いようです。

そこで、子どもたちが直面するICT教育のリアルを伝えていきたと考えました。日本のICT教育、オンライン学習は、まだこれから発展していく段階ですが、コロナ禍でオンライン学習が進んだ一方で、学校や家庭でには課題や解決しなければならない問題が多くあります。

我が子だけの問題だと思っていることが、実は社会全体の問題と大きくつながっている。そんなことは子育てでもよくありますよね。

「こんな世の中になったらいいなぁ」という思いをカタチに。そのためにも、その声を意思決定の場に届けたい。その一歩として、ママたちやパパたちで、ICT教育についてお話しする場をつくりました。

「デジタル機器に詳しくない」

「どうやって学習に活用したらいいのかわからない」

「子どものデジタル機器の使い方で悩んでいる」

など、家庭で今何をしていて、何に困っていて、何をしたいと考えているのか。ICT教育、メディアリテラシーについてお話しませんか?

日本のオンライン学習はまだまだこれから発展していく段階です。子どもたちにとって、また保護者や大人にとって現実的かつ有用な活用方法を、皆さんと一緒に探っていきたいと考えています。

これまでの【寺島絵里花の子どもメディアリテラシー講座】は

© Valed.press