モナコを拠点とする新チームがF1参戦を計画。ドメニカリCEOは約210億円の参入料を免除する可能性も

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは最近のコメントのなかで、サルバトーレ・ガンドルフォにより設立されたマネジメント会社『Monaco Increase Management(MIM)』が指揮を執り、モナコF1レーシングチームが将来グリッドに立つことを目指していると明かした。MIMのプロジェクトは、これが2回目となる。

 2019年、ガンドルフォのMIMは、ジュニアチームであるカンポス・レーシングと協力し、スペインを拠点とするF1チームの実現可能性について調査した。当時F1のCEOだったチェイス・キャリーと話し合いの場が設けられたが、そこから具体化されたことはなかった。

 それにもかかわらず、F1がバジェットキャップ制度導入とレギュレーションの大幅変更を行うなかで、MIMはF1参入プロジェクトをアイドリング状態にしており、さらには2021年の参入を目標したという。しかしながら、2020年は新型コロナウイルスの影響で混乱したことに加え、新しい規則の導入は2022年まで延期されたため、MIMは計画を1年延期した。

2020年F1第9戦トスカーナGP グリッド

 2021年から2025年のコンコルド協定には、新規参入者は2億ドル(約210億円)の参入料を支払わなければならないという条項が含まれてる。その参入料は、現在のF1の10チームに振り分けられる。

 だが、先週ドメニカリは「参入料なしでも議論を深める必要がある場合」に関連して、ある条件においてチームの現在の分配金を確保するための高額の参入料を免除する用意があると語った。その潜在的な可能性はガンドルフォにとって魅力的であり、現在彼は自身のプロジェクトを具現化するために熱心に取り組んでいる。

 月曜日に発表された声明のなかでMIMは、「現在のモナコF1レーシングプロジェクトは、当初2021年に導入予定であった新しいテクニカルレギュレーション(現在はパンデミックによりさらに延期されている)施行の可能性により、2019年という早い段階から始まった。FIAと参入の可能性についての議論を積極的に進めており、徐々に態勢を整える予定だ」と述べた。

「我々は、F1の新CEOであるステファノ・ドメニカリの最近の声明で新規参入チームに対する2億ドルの参入料が免除される可能性について示唆されたことが、正しい方向への一歩を表していると信じている」

「我々はステファノとFIA両者の寛大な姿勢に感謝し、申請を完了させるために必要な措置を講じる準備ができた」

 伝えられるところによると、F1グランプリのプロモーターであるモナコ自動車クラブは、MIMがそのプロジェクトをモナコF1レーシングチームと呼ぶことに反対はしていないという。

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