人種差別発言の米歌手アルバムが爆売れ!「米国の〝分断〟を象徴」の指摘も

人種差別発言で大バッシングされた米歌手の最新アルバムが爆売れしている。この特異な現象に「米国の〝分断〟を象徴するものだ」と指摘する声も出ている。

米カントリーミュージック界の人気ナンバーワン歌手、モーガン・ウォーレン(27)が1月31日夜、ナッシュビルの自宅への帰り道、大声で人種差別発言を連発。その様子が動画に撮られ、SNSにアップされて大炎上したのだ。

音楽業界はすぐさまモーガンを非難する声明を発表し、本人も謝罪。それでもラジオ局や音楽ストリーミングサービスは同歌手の楽曲を放送禁止にしたり配信停止・削除という厳しい対応を取った。

ところが、先月8日にリリースした2枚目のアルバム「デンジャラス」の売れ行きは好調。今週もアルバム総合チャート「ビルボード200」で4週連続1位をキープした。カントリー歌手による同チャート4週連続1位は2003年のシャナイア・トゥエインによる「Up!」以来の快挙となった。

米音楽売上調査会社「MRCデータ」によると、4日までの1週間で同アルバムが売り上げたのは2万5000枚で、前週比2%アップ。ダウンロード数は同比67%も上昇した。

また、同アルバムだけではなく、2年前のデビューアルバム「イフ・アイ・ノウ・ミー」も前週の200枚から2500枚と〝爆売れ〟している。

ビルボードの担当者は、モーガンの差別発言をメディアが大きく取り上げたことで、興味を持った人たちがアルバムを買ったことが一因だと説明する。

また、保守層が多いことで知られるカントリーミュージックのファンらがラジオ局やストリーミングサービスの厳しい処分に対抗し、アルバムを購入することでモーガンを支持した結果だと同担当者は分析。SNSではこれも米国の「〝分断〟を示す一例だ」と指摘する声が上がっている。

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