海洋プラごみで買い物かご 対馬の漂着物再利用 ファミマ、SDGs推進へ 対馬、壱岐、福岡の4店舗 12日から導入

対馬の海洋プラごみを原料の一部にした買い物かご(ファミリーマート提供)

 コンビニ大手のファミリーマートは9日、長崎県対馬各地に漂着している海洋プラスチックごみ(海洋プラごみ)を原料の一部にした買い物かごを、対馬、壱岐、福岡の計4店舗で12日から導入すると発表した。同社は「いずれも対馬と海でつながっている地域。地域に密着したSDGs(持続可能な開発目標)を推進していきたい」としている。
 対馬市によると、島内沿岸には年間約2万立方メートルのごみが漂着しているが、全量回収は難しく、約8千立方メートルにとどまっている。うち、プラごみは約2600立方メートル。ポリタンクなどのプラごみは自然に分解されにくいことから、環境への影響も懸念されている。市は昨年7月、環境問題などに取り組む自治体を国が支援する本年度の「SDGs未来都市」に選定されている。
 同社などによると、海洋プラごみを使った製品開発を進めている伊藤忠商事と、企業や自治体向けのリサイクル推進コンサル業テラサイクルジャパン(横浜市)からの提案を受け、検討を開始。テラサイクル社が海洋プラごみのポリタンクを対馬市から買い取り、国内のリサイクル業者の協力で再成形。海をイメージした青色の店内用買い物かご(幅約40センチ、奥行き約30センチ、高さ約20センチ)に仕上げている。
 導入するのは▽対馬(厳原大手橋店)▽壱岐(芦辺店、郷ノ浦東店)▽福岡(ベイサイドプレイス店)で、各店70個ずつ配置する予定。
 対馬市環境政策課は「こうして海洋プラごみを購入し再利用してもらうことで埋め立てを減らせるだけでなく、新たな漂着ごみの回収費用に充てることもできる。正のサイクルを広げていければ」としている。

大量の海洋プラスチックごみが漂着している対馬市内の海岸

© 株式会社長崎新聞社