いきなり初アーチ! 阪神ドラ1・佐藤輝に「つながない最強2番打者」プラン浮上

日本ハムとの練習試合の5回に2ランを放った阪神・佐藤輝

猛虎にもついに〝最強2番打者〟が誕生するか。阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(21=近大)が自身初の対外試合となる9日の日本ハム戦(沖縄・宜野座)に「2番・左翼」として先発出場し、5打数3安打3打点の大暴れだ。

5回の第3打席では内角へ沈むスライダーを右翼スタンドへ軽々と運ぶ〝プロ初本塁打〟もマークし「スライダーにしっかり反応できたし(打った瞬間)飛距離も十分だと思った。守備走塁も含め今後もアピールできれば」と充実の初陣を振り返った。黄金ルーキーの大戦果に矢野監督も「変化球への対応力があるからこそ見せてくれたホームラン。内容的にも申し分ない。ワクワクさせてくれる存在」と手放しでほめちぎった。

一方で、球場へ視察に訪れた他球団007たちは一様に警戒感を強めた。あるセ球団スコアラーは「直球に強いタイプだと思っていたが、変化球を打つのもとてもうまい。タイミングもあっていたし柔らかさがある。ここまで打つとは思わなかった」。規格外のパワーに加え、想像以上の器用さも見せつけられたとあって戦々恐々だ。

この日、佐藤輝を2番で起用した意図について矢野監督は「打順は関係ない。どこに置いてもいいんだけど」と語るにとどめたが、米メジャーをはじめとし、2番にチーム最強打者を配置するのが現在の世界的なトレンド。日本球界でも巨人の坂本やDeNAのソトのように、長打力のある打者が2番を打つケースが年々増えてきた。

阪神はここまで、糸原や大和(現DeNA)など伝統的なつなぐタイプの打者が多く2番で起用されてきたが、前出のスコアラーは「今の阪神には近本というリーディングヒッターに加え、大山という打線の軸もいる。ここにさらに2番打者として長打力と器用さを兼ね備えた佐藤輝が配置されると、ウチとしても本当に恐ろしい打線になってしまう。投手陣の充実度も含め、今年の阪神は間違いなく優勝候補筆頭」と語る。

まずは開幕スタメンの座を確実にすることが佐藤輝のファーストミッション。だがその後、矢野監督がどのような役割と打順を背番号8に与えるかという点にも注目したい。

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