洋上風力発電候補エリア 壱岐・対馬沖の5カ所了承 16日から意見公募 県検討協議会

壱岐、対馬の候補エリア

 長崎県や学識経験者らでつくる県洋上風力発電ゾーニング導入可能性検討協議会(座長・三上建治県産業労働部政策監)は8日、壱岐周辺の3海域と対馬西岸の2海域の計5カ所を県内の洋上風力発電導入の候補エリアとすることを了承した。16日~3月8日、県のホームページでパブリックコメントを募集。寄せられた意見は報告書に反映し、地元での今後の協議に生かしてもらう。
 洋上風力発電については、政府が洋上風力発電普及法に基づく促進区域を順次指定し、国が事業者を公募。県内では2019年に五島市沖が全国で初めて指定された。対馬市、壱岐市も国の促進区域指定を目指しており、今後は両市の協議会がそれぞれ、候補エリアの中から、事業を計画する導入可能性エリアを絞り込んでいく予定。
 洋上風力発電を巡っては、県は県内での導入促進を目指し、19年度からゾーニング事業に取り組んでいる。県協議会が自然公園など保全エリアを含まない地域、地元の意向などを条件に適地エリアとして壱岐、対馬を抽出。両市がそれぞれ設けた協議会が漁業利用や景観、航路への影響、風の吹き方などを考慮して候補エリア案を絞り込み、8日の県協議会で了承した。
 壱岐市の白川博一市長は同日の会見で「来年度以降も引き続き導入の可能性について地域とともに協議を続ける」とコメント。対馬市しまの力創生課は「他の地域でも漁協などと協議し、候補エリアを増やしていきたい」としている。

© 株式会社長崎新聞社