壱岐・湯本温泉街再生を クラウドファンディングで資金募る 「湯本きばろう会」

湯本きばろう会のメンバー(同会提供)

 長崎県壱岐市勝本町の湯本(ゆのもと)温泉街の活性化を目指す任意団体「湯本きばろう会(原英治会長)」は、拠点施設の再整備などを進めるための資金を、クラウドファンディング「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で募っている。期限は16日まで。目標金額は400万円で、9日正午までに約150万円が集まった。
 湯本温泉は約1700年前から温泉が湧き出ているとされる天然温泉で、源泉の温度は約70度。泉質はナトリウム塩化物泉で、赤褐色の湯は美肌の湯として島民らに親しまれてきた。
 同会は2014年11月に遊休施設を改修し、交流拠点施設として海の駅「いき湯がっぱ」を開設。ボート係留をはじめ、加工食品の製造や土産品販売などに取り組み、観光客誘致の役割を担った。しかし新型コロナウイルスの影響などもあり、現在は休止中。原会長は「地域で産業が成り立たないと温泉旅館単体では厳しくなる。街が再生しないと後世の道も閉ざされる」と危機感を募らせる。
 集まった資金は海の駅の改修の他、体験観光メニューの開発や空き家を活用した移住促進事業などに充てる。支援のリターンでは湯めぐり入浴券や高級旅館の素泊まりなど、湯本温泉の魅力を味わえる。原会長は「旅館に泊まって街歩きを楽しめる温泉街にしたい。観光で訪れ風情を楽しんでほしい」と力を込めた。

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