名捕手・モリーナ「ここが僕のホームだ。戻って来られて嬉しい」

日本時間2月10日、カージナルスはヤディアー・モリーナとの再契約を正式に発表した。条件の詳細は明らかにされていないが、「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンは「1年900万ドル+アウォード獲得のボーナス+全球団に対するトレード拒否権」と伝えている。残留を確実視されながらも交渉が長期化したモリーナだが、カージナルス残留が第1希望だったことを改めて明言。「ここが僕のホームだ。ここにいられて幸せだし、戻って来られて嬉しい」と再契約を喜んだ。

モリーナによると、カージナルスのほかにも数球団が獲得に興味を示し、真剣なオファーを提示してきたという。「でも、僕はセントルイスが交渉の席に着いて、何らかのオファーをしてくれることを望んでいた。そして、彼らはそれを実行してくれた。前にも言ったように、僕の第1希望はここ、セントルイスなんだ。僕がいたいと思う場所だし、僕がキャリアを終えたいと思っている場所でもある」とモリーナはセントルイスへの愛着を語った。

カージナルスのジョン・モゼリアック編成本部長は、今オフの最優先事項の1つにモリーナとの再契約を挙げていた。「2ヶ月前に実現していれば良かったんだけど…」と語ったように、なかなか交渉が前進せず、モリーナと球団の双方が精神的に苦しい時期を過ごした。モリーナは「適切なオファーがなければ引退することも考える」と発言したことすらあったほどだ。

しかし、現在モリーナは体力が続く限り現役を続けたいと考えているという。「1年ずつになるだろう。今は今季の戦いに集中している。素晴らしいチームになったからね。みんなが健康にプレーして、今季は優勝を勝ち取りたい。将来のことはシーズンが終わってから考えるよ」とモリーナ。アダム・ウェインライトが残留し、ノーラン・アレナードが加入したことでワールドシリーズ制覇を狙える素晴らしいチームになったと手応えを感じている。

また、ウェインライトが他球団からのオファーを蹴ってカージナルスに残留したこともモリーナの決断を後押ししたようだ。「僕たちはオフシーズンのあいだ、ずっと連絡を取り合っていた。僕が残留を決めたのは彼の存在が本当に大きい。僕はウェイノ(=ウェインライトの愛称)のことが大好きだし、僕たちは兄弟のような関係だからね。さらにアレナードまで加わったんだから、戻って来ない理由なんてないよ」とモリーナはウェインライトの存在の大きさを強調し、アレナードの加入を歓迎した。

モゼリアックはモリーナについて「過去25年間を遡ってみても、モリーナほどチームへの影響力が大きい選手はせいぜい1人か2人くらいしか思い付かないだろう」と語る。39歳のベテラン右腕と再契約し、強打好守のスター三塁手を獲得したカージナルスは今季、球史に残る名捕手とともに2011年以来10年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指す。

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