第25回「言葉の力②~ルビンの壺を「壺」に見せる」

ルビンの壺という有名な絵がある。

壺のように見えるし、向き合ったふたりの顔にも見える絵だ。
ちょっと視点を変えるだけで、どちらにでもなる。
あなたは今どっちに見えているだろうか?

さて、今回はこの絵を「壺」に見えるようにしてみよう。
100%は無理であるが、壺に見える確率を高めるのだ。
やり方は簡単。言葉の力ということで、ちょっと言葉を添えてみるのである。

もちろんこのように「壺」と添えると壺に見える。最も簡単な方法だ。
では直接「壺」とは添えずに、壺に見せることができるだろうか?

例えば次のような言葉を添えてみよう。

「素敵なデザイン」から想像するのは壺であり、決して向き合ったふたりの顔ではない。
もう壺にしか見えないのではいだろうか。

玄関に置くとなると壺しかない。これもまた壺に見えてくる。もちろんリビングでも床の間でもOKだ。

高価買取という概念があるのは壺である。または「1億円」などと値段を添えるだけでも良いだろう。

プレゼントできるのも壺しかない。

メルカリのカテゴリーを添えてみる。メルカリに出品されているとしたら壺しかない。

花瓶としても使えるのは壺だ。

お母さんが怒る声。ボールやバットで壊れるのは壺である。

またお母さんが怒る声。壊れるのは壺だ。

ずっと探していた自転車の鍵が入っているのも壺。

これは辞書で壺を調べた時の意味。つまりこれは壺なのだ。

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