海星高生徒自殺「学校は説明を」 在校、卒業生らネット署名活動

 2017年4月、長崎市の私立海星高2年の男子生徒=当時(16)=が自殺した問題で、自殺は「同級生のいじめが主たる要因」と結論づけた第三者委員会の報告書を学校側が受け入れていないことについて、在校生や卒業生ら有志が10日、同校に記者会見で説明するよう求める署名活動をインターネット上で始めた。1カ月をめどに署名を集め、学校側へ提出する。
 活動は在校生や卒業生らでつくる「海星在校生と卒業生の名誉回復を目指す会」が担う。学校側への要望は、3月中にも記者会見を開き、第三者委の報告書を受け入れない理由や遺族への対応などについて説明するよう求めている。賛同者を署名収集サイト「Change.org」で募る。
 同会の発起人で、長崎市で学習塾を経営する佐々木大さん(57)は同日、県庁で会見した。指導する小学生から「海星は自殺を隠蔽(いんぺい)する学校なのか」と尋ねられ、当時教室内に海星高の生徒や同校を志願する中学生がいる中で、明確に返答できなかった経験を明かした。「在校生が理不尽な思いをするのは学校が説明責任を果たしていないから」と活動を始めた理由を説明し、「未来に向かって働き掛ける取り組みにしたい」と述べた。
 亡くなった男子生徒の父親(53)は取材に「息子を直接知らない人たちに行動を起こしてもらい、大変ありがたく勇気をもらった」、母親(48)は「声を上げてくれた在校生、卒業生には感謝の気持ちでいっぱい。学校は記者会見して社会的責任を果たしてほしい」とそれぞれ語った。
 同校は第三者委の報告書について「論理的な飛躍がある」などとする見解をホームページ上に公表したが、この問題を巡っては、これまで記者会見を開いていない。署名活動の開始について同校は「詳細が分からないのでコメントできない」としている。

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