スポーツ分野から人口流出に歯止めを 長崎国際大が学生アスリート派遣

長崎国際大テニス部の学生から指導を受ける子どもたち=佐世保市、長崎国際大テニスコート

 長崎国際大(安部直樹理事長、佐世保市)は昨年10月、「スポーツ支援・振興室」を新設した。強化指定部(8競技12団体)の学生アスリートと指導者に対し、「大学スポーツ支援と振興」や「地域スポーツ振興」のサポート環境を整え、スポーツの分野から若者の県外流出に歯止めをかける狙いがある。
 長崎国際大は2015年、地域に根付く大学を目指して「地域連携室」を設けた。産学官金連携に力を入れ、学内の国際観光学科スポーツツーリズムコースや教職員と連携し、子ども向けのスポーツ教室などを積極的に企画。野球、バレーボール、テニス、アーチェリーなど、強化指定部の学生アスリートが指導役を担った。これらの取り組みがスポーツ庁に認められ、19年から「大学スポーツ振興の推進事業」に2年連続で採択された。
 今後は教員や事務職員で組織する「スポーツサポートセンター(仮称)」の設立を目指す。学内の学生アスリートに対するサポート環境整備だけではなく▽学生アスリートを小中学校の部活動に指導員として派遣▽地域施設の指定管理者制度や総合型地域スポーツクラブの「NPO法人化」-などにも力を入れていく方針。地域の子どもたちや指導員をサポートする環境の整備を、行政や企業と連携して進めたいとしている。
 スポーツ支援・振興室の徳吉剛室長は「大学生がイベントを通してたくさんの方々にスポーツの楽しさを伝えたり、指導のサポートをしたり、試合を見せたりすることで、子どもたちに夢と希望を持ってもらいたい。長崎県で課題となっている人口流出だけでなく、小、中、高生のスポーツ人口減少も抑制できないか」と話している。
 長崎国際大は補助金を活用して「NIUスポーツホームページ」も立ち上げた。「一般の方々もスポーツに取り組み、健康でいてほしい」(徳吉室長)という思いから、コロナ禍におけるトレーニング動画や栄養指導などを配信。各種大会の結果や大学スポーツ協会(UNIVAS)の速報なども紹介している。

地域の中学生と交流する長崎国際大野球部の選手たち=佐世保市、長崎国際大野球場

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