金沢といえばおでん。おでんといえば金沢です。
住民一人当たりのおでん屋の軒数は、堂々の全国一位。開店前から長蛇の列ができる老舗や名店がたくさんあります。
そんな全国有数のおでん激戦区に、一風変わったおでん屋台が誕生しました。
コンセプトは「世界のおでんとビール」。
世界各国のスープを出汁にしたおでんと、その国のビールとのペアリングが楽しめるそうです。
日本の伝統食と本場タイの味がコラボ。
おでん屋台を運営するのは、世界各国のビールと料理を提供するレストラン『WW(ダブリューダブリュー)』。屋外のテラス席を活用したポップアップ屋台として、この冬から世界のおでんを販売し始めました。
第1弾はタイ料理でおなじみトムヤムクンのおでん。辛味と酸味、複雑な香りが特徴的な真っ赤なスープに、厳選された8種類の具材が並びます。
というわけで、世界のおでんの発起人である店長の小林郁奈さんにお話をうかがいました。
ーーなぜ、世界のおでんを始めようと思ったんですか?
小林さん:コロナ禍で店内飲食にちょっと抵抗がある。そんな方たちに外食の楽しさを忘れてもらわないよう、テイクアウト中心の屋台を始めようと思ったんです。
ーー屋台といえばおでん、ですよね。
小林さん:そうなんです。おでんは私たち金沢市民になじみのある料理。スープに合わせて具材も変えられるので、可能性も無限大です。
ーー寒空の下で熱々のおでんを食べる。たまりませんね!
小林さん:外のベンチにはホットカーペットを敷いているので、冬でも意外と暖かいんですよ。
ーーあっ、本当だ。トムヤムクンも旨辛だし、これは芯から温まりそうですね。
小林さん:旅行ができないこの時代。異国情緒あふれるおでんで、世界をゆっくり旅してください!
トムヤムスープはもちろん自家製。トマトの酸味、ナンプラーの旨味、唐辛子の辛さのバランスが絶妙で、レモングラスの爽やかな香りもエキゾチックな味わいに拍車をかけています。
ーーところでトムヤムクンとおでんって合うんですか?
小林さん:日本のおでんもトムヤムクンも魚介だしがベース。なので、魚のすり身で作られる練りものとの相性が抜群なんです。実際にタイには練りものを使った料理がとても多いんですよ。
ーーこのスープも口当たりが優しくて、美味しいですね。
小林さん:ありがとうございます。じつは本場の味をちょっとだけ日本人好みにアレンジして、マイルドに仕上げているんです。辛いものが苦手な方はライムを絞って、召し上がってください。
具材は大根、牛すじ、がんも、焼豆腐、えび、しらたき、うずら、ちくわの8種類。トムヤムスープをたっぷり吸った、がんもや大根の美味しさは衝撃の一言。えびは素揚げされていて丸ごと味わえます。
ザリガニって食べたことありますか?
さらには、屋台限定メニューとしてタイ風じゃがバターも提供中。ふかしたじゃがいもに4種類のチーズを溶かしたソースをかけ、グリーンカレー風味の自家製バターを入れてまぜまぜ。
濃厚かつスパイシーな、なんともいえない異国情緒あふれる味わいで、これまたビールが止まりません。
また現在『WW』では、伝統的なサーモン料理や名物ザリガニの塩茹でが味わえる、ノルウェー料理フェアも開催中。
世界のビールの品揃えも豊富で、東山の「オリエンタルブルーイング」とコラボした、オリジナルのクラフトビールなんかもあります。ビール好きにはたまらないですね。
トムヤムおでんの提供は3月末まで。今後はグリーンカレーやブイヤベースなどのおでんも企画していく予定だそうです!
WW
ダブリューダブリュー
石川県金沢市片町1-3-21片町プレーゴ内
TEL. 076-208-7004
営業時間/12:00〜15:00、17:30〜21:00(L.O.20:00)
定休日/火曜日
※おでん屋台は金曜、土曜の夜のみ営業
席数/おでんはテラス席のみ飲食可
駐車場/近隣にコインパーキングあり
※こちらの情報は取材時点のものです。
(取材・文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)