レイズ筒香や楽天浅村が手本、中日期待の22歳が信じる「大砲は5年目に覚醒説」

中日・石垣雅海【写真:荒川祐史】

昨季に待望のプロ1号を放った石垣雅海「チャンスで打てるか打てないか」

中日のブレーク候補として首脳陣から期待を寄せられているひとりが、石垣雅海内野手。春季キャンプ第3クール初日の6日、猛烈な雨風のためヤクルトとの練習試合は中止になったが、事前に発表されていたオーダーでは「4番・三塁」に入っていた。そろそろ頭角を現したい高卒5年目。自身も他球団の“ブレーク例”を強く意識する。【小西亮】

木製バットの扱いに苦労していたルーキー時代から丸4年。ひと回りもふた回りも大きくなった体躯で、充実の球春を過ごしている。実戦中心となっていくキャンプ後半に向け「1日1本打つことを最低の目標に。チャンスで打てるか打てないかが、1番大事だと思っています」。まずは生き残りへ、1軍首脳陣の目に存在を焼き付けたい。

プロ1年目の2017年に1試合だけ出場して1軍舞台を経験。3年目の2019年に初安打を放ち、4年目の昨年9月には待望のプロ1号を東京ドームでマークした。4年間で通算41試合に出場。緩やかなようにも見える成長曲線を、5年目の今季に急上昇させるイメージを描く。

「他球団のスター選手を見ても、5年目に出てきて上(1軍)で結果を残している場合も多いかなと。自分も続けるように、とは思います」

浅村栄斗は西武入団5年目に打点王、オフに弟子入りして技術を吸収

ヤクルト・山田哲人や巨人・岡本和真、広島・鈴木誠也ら高卒4年目で覚醒したケースも多い一方、5年目に一気に飛躍した大砲たちも少なくない。2010年にDeNAに入団した筒香嘉智(レイズ)は2014年に22本塁打をマーク。以降はハマの主砲としてチームを支えた。昨季に自身初の本塁打王を獲得した楽天・浅村栄斗も、西武入団5年目の2013年に打点王に輝いた。

石垣はオフの自主トレで、その浅村に弟子入り。手取り足取り、打撃の真髄を教わった。「手応えという面ではまだまだですが、少しずつ自分の中でできるようになれば。結果が全ての世界。割り切ってやっていきたいです」と見据える。

今月9日の紅白戦では「いいところを見せよう」と気持ちが先走り、力んでしまったことを反省。すぐさま映像を見返し、10日の休養日に1時間ほどバットを振って修正した。課題はすぐさま潰す。「上体の動きが遅くなっていたなと。課題は明確になりました」と納得する。

プロ人生を左右するかもしれない勝負の年。自らに言い聞かせるようにつぶやく。「期待には応えたい」。球界を代表する大砲たちと同じ覚醒ロードを歩むべく、とことんバットを振る球春になる。(小西亮 / Ryo Konishi)

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