「花束みたいな恋をした」脚本:坂元裕二 監督:土井裕泰 - 終わりが美しい恋をしたかった、心にぽつんと穴があいた帰り道

終わりが美しい恋をしたかった、心にぽつんと穴があいた帰り道

“恋は落ちるもの”と、遠い昔に聞いた気がする。無理にしようとしても無駄ってことなんだろうけど。

―出逢えた時のドキドキ。 “恋のはじまり”は、相手が誰であって似ていたな、と思う。“価値観が近い”そうに思えた瞬間、急に意識していなかった目の前の人が“いいかも”になる。(が、多いと思う。)それを運命や奇跡として特別感を抱ける人でいつまでもいたかったな、と劇中の麦と絹を見て思った。

そして、どんなに大切で愛おしくてもいつかくるかもしれない終わり。その時、どんなに心の変化がそれぞれあったとしても、すれ違いがあたとしても、きちんとお互い向き合い、話をしっかりできるか。ここが本当に大切だな、と思える。(察することができたとしてもきちんと言葉にして相手に伝えないと本当の思いは届かない)

2015年から2020年までの5年間の絹と麦の物語。出会いと別れとそれから。当時の音楽や実名がたくさん出てきたり、スマホやワイヤレスイヤフォンなどを作中に入れた表現がとても素敵な作品。この5年間を麦と絹と一緒に振り返ってみるのも悪くないかも。バレンタイン前にちょっぴりほろ苦い物語をどうぞ。(LOFT9 Shibuya:おくはらしおり)

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