コロナ禍の新成人へ撮影イベント 佐々・レクラン企画 着付けやメークなど業界有志ら協力

新成人と一緒に写真に納まる関係者ら=北松佐々町、正福寺

 北松佐々町の正福寺で7日、新型コロナウイルスの影響で成人式が中止や延期となった新成人を対象に、振り袖などを貸し付け、ヘアセットなどをして写真撮影するイベントがあった。参加した新成人13人は、あらためて成人した喜びをかみしめた。
 同町の貸衣装店「レクラン」の代表、江頭知裕さん(36)が、地域によって成人式の有無に「格差」が生じている状況に胸を痛めて企画。会員制交流サイト(SNS)を通じて業界関係者に協力を呼び掛け、県内外のカメラマンやメーキャップアーティストなど約20人が賛同した。
 佐々町や佐世保市などの新成人13人が参加。約50種の振り袖の中から事前に着たいものを選び、当日、ヘアセットやメーク、着付けをしてもらって撮影に臨んだ。原則無料だが、会場に「投げ銭」用の箱を置いた。参加者には県内産のお茶やミニトマトなどの手土産も支援者から贈られた。
 友人と2人で写真に納まった佐々町の飲食店アルバイト、石田愛未さん(20)は「成人式で友達と一緒に写真を撮ることが夢だったが、式が中止になりできなかった。このイベントのおかげで一緒に写真を撮れたから、うれしい」と笑顔を見せた。
 佐賀県在住で撮影を担当した笹川恵実さんは「自分の成人式は今でも心に残っている。いい思い出をつくるお手伝いができたらと思った」。江頭さんは「コロナで貸衣装も経済的打撃を受けているが、僕たちはこれからまた頑張ればいい。二十歳は今しかないのでいい思い出になってくれたら」と話した。

 


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