怪魚ハンター切望のユニバーサルフロッグがメガバスから登場!怪なるフロッグ『BATRA-X(バトラクス)』を小塚拓矢が徹底解説!【ルアマガ+のフィッシングショー2021】

世界中に生息する、その土地ならではの魅力的な魚を狙って旅をする怪魚ハンター・小塚拓矢さんの新作ルアーがついに登場! 状況に応じてセッティングを変更すれば、国内でのブラックバス釣りからナマズ、ライギョはもちろん、世界中のあらゆる怪魚を狙えるスグレモノのフロッグだ!

『バトラクス』を解説してくれるのは怪魚ハンター・小塚拓矢さん!

【Profile】
小塚拓矢(こづか・たくや)
世界56か国を釣り歩いてきた“怪魚ハンター”。『情熱大陸』や『アナザースカイ』など地上波TVへの出演も多数で、日本に“怪魚”(海外遠征)という新ジャンルを定着させた。これまでにもメガバスでは「タコーレ」や3連メタルバイブ「チタラ」を手がけ、規格外の経験を革新的なルアーにフィードバックしてきた。

「BATRA-X」(バトラクス)とは?

小塚「ルアマガ+をご覧の皆様、初めまして。“怪魚ハンター”の小塚拓矢です!」

小塚さんよろしくおねがいします!

今回は小塚さんが主宰するブランドとも関わり深い、2021年の最新ルアーを紹介してくれるんですよね。

小塚「そうなんです。僕自身のブランドMonsterKissとメガバスさんとのジョイントワークスとして『BATRA-X(バトラクス)』というルアーが登場するんです」

バトラクス(メガバス)

どういった経緯でコラボルアーを作ることになったんですか?

小塚「ことの発端は、“ナマズブーム”の2017年夏。メガバスのナマズブランド『ノイジーキャット』の新作ルアーの1つとして、『BATRA-X』の開発が始まりました。その当時はまだナマズ用を謳うフロッグが無かった頃で、アマゾン河に生息する『バトラクス・キャット』をデザインのモチーフに、スナッグレス性能以外の部分、例えば甘い着水音など中空ソフト素材ならではの長所に着目して、フロッグタイプのルアーとして開発が進められていました」

バトラクス(メガバス)

【スペック】
全長:51mm(ボディのみ。“鼻”は含まず)
重さ:5/8oz
タイプ:フローティング
仕様:貫通式ワイヤースイベル搭載/ソフトカップ標準搭載(脱着可能)/ソフトテール&アシストフック標準搭載

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2017年3月段階のボディ形状の修正指示。カップ&テールに目を奪われがちながら、フロッグとしての土台であるボディ形状そのものが、「BATRA-X」の心臓なのだ。
アマゾン原産バトラクス・キャット(学名 Asterophysus batrachus)
「ライギョ用」としてMonnsterKissからリリースした“兄貴分”の『BATRACHUS(バトラクス)』
工場探しに始まり、金型製作、成形後のバリ取りから、リギングまで小塚さん自身でできる部分はすべて一人で行ってきた。そして今後も行なっていくという。
故に生産数は限られるが、小塚さんがたった一人で一周させた経験は「BATRA-X」に生きているはずだ。
左が『BATRACHUS』、右が『BATRA-X』(共に読みはバトラクス)。塗装の有る無しが分かりやすい差異。『BATRA-X』は伊東社長の助言で体積が約5%ダウンサイジングされ、フックポイントが収まるスリットが追加された。また、腹の刻印も異なっている。『BATRACHUS』はバリ取りにも手仕事の跡が見られるが『BATRA-X』では精錬。
左の『BATRACHUS』に比べ、右の『BATRA-X』は“鼻”が大きく、断面が楕円形に。これにより、同じく楕円形に設計されたソフトカップの穴と組み合って回転しない。
2017年3月段階。4年以上前からカップをつけるアイディアはあったが、その方法は複雑怪奇で実現不可能なものだった。
カップ形状を試行錯誤した痕跡。定規の下にあるのが最終版。ここにいたるまで何個カップを作ったかわからないという。ランブルテールと同じく、形状に加え「硬度設定」という通常のプラグには無い1ベクトルが加わり、開発は難航した。
ソフト素材ゆえの、強度維持の微修正も必要で、アナログな張って切ってとは別に、金型からだけでも都合5回修正。上から2段目の2thプロトまでは、穴が丸い。3thプロト以降、穴を楕円化する方法を思いついたという。
カップの3thプロト。原型は1。この段階から穴が楕円化。ユーザーの好みでカットして使ってもらおうとスリットを入れたものの、スリットがあってもなくても、自分でカットすれば良いと気づく。作業そのものはソフト素材なので簡単であり、カップ&テールはスペアパーツも販売予定なので、色々試してみてほしいとのこと。
「発光体ホルダー」としてスタートした「ランブルテール」。昼の釣りでは、ネイルシンカーホルダーとしての役割が大きい
フィンの形状を試行錯誤。回転だけなら左の“フィン無し”が最も低速で回転するが、水推しは控えめ。ソフト素材を使用しており、ヒレの筋に見立てたスレットで簡単にカットが可能なため、バランスを崩さない範囲で大きめに決定。
形状に加え、硬度でもアクションが異なるため開発は難航。口内に入ってもフッキングを阻害しない程度に柔らかく、かつワーム以上に水を押す絶妙な硬度をもとめた。その結果、ネイルシンカーの他にも、板オモリを貼るなどのチューニングの多様性が残る硬さに。
貫通ワイヤースイベル構造はランブルテールの回転を支持するのみならずこんなチューニングを可能に。元々のボディ形状が「ライギョ用」として既に評価を得ている形のため、ボディ単体、いわゆる“ダンゴ”や、ブレードチューンで、シンプルなフロッグとしての基本性能も高い。
耐久テストをした凄腕のライギョ&ナマズアングラーの釣果。サンプル1個で、ライギョ55匹、ナマズ27匹、ブラックバス未カウントを釣り上げたが壊れず。なおアシストフックはライギョ狙いでは付けない方が無難。
カップノイジーアクションのレスポンスのため、通常のフロッグとは異なり前方重心。ボディ形状に合わせ内壁に沿わせるようフックを専用設計、フッキング率も向上した。
一体型のラバースカート(ジャッカル/ワンタッチラバー)を挿入したチューン
テールにはラバースカート+シンカー、フロントにはバズペラ
発光体ホルダーにグラスラトル
インド行脚で手にした紅のライギョ
アマゾンで手にしたジャクンダ。

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