「PU開発への新たな制限は難題」とメルセデスF1。開幕までに解決すべき問題ありと明かす

 メルセデスF1チームのエンジン部門責任者であるハイウェル・トーマスが、2021年型パワーユニット(PU/エンジン)において問題を抱えているが、シーズンスタートまでには解決できる見込みであると語った。

 2020年にメルセデスは、7年連続でのダブルタイトルを獲得、連覇の記録を伸ばすべく2021年シーズンに挑む。チームがYouTubeチャンネルで公開した動画のなかで、トーマスは、現在開幕に向けてエンジンを製造し、ダイナモでのテストも行っているなかで、解決しなければならない問題があると明かした。

「パワーユニットにいくつか問題がある」とトーマスは言う。
「問題を抱えていることは分かっているものの、すべてを解決するためのプランが多数ある。開幕戦までにすべて準備ができるはずだ」

2020年F1トルコGP メルセデスF1チームのガレージ

 メルセデスは1年前にもパワーユニットの問題に直面していた。しかしパンデミックの影響でシーズン開始が遅れたこともあり、開幕戦までに問題を解消することができた。

 2021年の規則では、エンジンダイナモテストへの新たな制限が課され、さらにシーズン中の仕様変更ができないため、開幕前の作業がより重要であり困難でもある。

「今年はいくつか新たな課題が投げかけられた」とトーマスは語る。

「レギュレーション変更に対応しなければならない最初の冬を過ごしてきた。たとえば、ダイナモを使用できる時間が制限されている」

「そのため、ダイナモでの走行の1回1回を大事にし、生産的な作業をしなければならない。すべての時間が重要であり、そのなかでパワーユニットのパフォーマンスと信頼性について学ぶ必要があるのだ」

「今年はシーズン全体のなかで、アップデートが1回しかできない。そのための準備をする初めての冬だ」

「開幕戦で使う最初のPUにすべてのパフォーマンスを込める必要がある。昨シーズンまでは導入するPUごとに段階的に異なるパッケージを使うことができた」

「今年はこういうチャレンジに直面している。開幕戦までにすべての準備を整え、完璧な信頼性を達成する必要があるのだ」

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