コロナ禍で試されるアナウンサーの“中身”。タレント化は時代遅れか

NHK

コロナ禍や地震などの報道で、アナウンサーの〝中身〟に視聴者から賞賛が寄せられている。

14日早朝のニュースでは、NHKの糸井羊司アナウンサー(43)が福島県などで起きた震度6強の地震の被災者に向けたメッセージが話題になった。

糸井アナは「ほとんど眠れなかった方、早く目覚めてしまった方ともにお疲れのことと思います。できるだけ安全な場所で少し目を閉じながらでもかまいませんので、最新の情報をお聞きいただければと思います」などと優しく語りかけた。

ツイッターのトレンドランキングでは「糸井アナ」がランキングした。

糸井アナのような現象といえば、日本テレビの藤井貴彦アナウンサー(49)が知られる。

同局の報道番組「news every.」で、コロナ関連ニュースの最後に「自分を律している人ほど、観光や遊びに出ている人を腹立たしく思うかもしれません。しかし、皆さんのような人がいるからこそ医療崩壊を防げています」などとコメント。真摯に伝える姿が視聴者に好評で、昨年12月にオリコンが発表した「好きなアナウンサーランキング」で初めて3位にランクインした。

「コロナ禍で、お茶の間はタレントのようなアナウンサーを求めなくなってきている。視聴者に正確に伝えるアナウンス力や、ときに寄り添ってくれるコメントを発信できるなど〝中身〟が評価される時代。それは『news every.』が高視聴率をキープしていることからも分かる」(テレビ局関係者)

長らくアナウンサーのタレント化が続いてきたテレビ界だが、少しずつ原点に戻り始めているのかもしれない。

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