【第3四半期】ココカラファイン、売上-7.9%、営業利益-13.3%。大掃除商材など通例の年末需要も弱く

【2021.02.15配信】ココカラファインは2021年3月期第3四半期の連結業績(2020年4月1日~2020年12月31日)を公表した。それによると、売上高は2810億9500万円(前年同期比-7.9%)、営業利益79億1500万円(同-13.3%)、経常利益96億9500万円(同-11.0%)だった。

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、商業施設等の営業休止や営業時間短縮、インバウンド需要の急減、外出自粛による消費マインドの低下等が進み、極めて深刻な状況となった。緊急事態宣言の解除(2020年5月)以降、社会・経済活動は持ち直しの動きが見られたものの、国内の新規感染者数は第三波とも言われる局面に入り、感染拡大の収束時期の見通しが立たず、事業環境は引き続き不透明な状況が続いている。

このような状況下、同社は医薬品や生活必需品を提供する地域のヘルスケアインフラとして、衛生管理や慎重な感染防止策の徹底により顧客と従業員の安全を最優先しながら、可能な限り店舗営業を継した。

ECサイトで購入した商品を当社店舗で受け取ることができる「店舗受け取りサービス」の対象店舗拡大や、PCR検査キットの販売、調剤事業におけるオンライン服薬指導システムの導入など、新しい生活様式の中で顧客・患者に安心で便利な生活を過ごしてもらうための新しいサービスも拡充している。

また、①株式会社マツモトキヨシホールディングスとの資本業務提携に基づく商品仕入れの一本化、マーチャンダイジングの統一等、経営統合シナジーの早期実現への取り組み、②新規出店によるドミナント強化と規模拡大、③ココカラクラブカードやスマートフォン用アプリ「ココカラ公式アプリ」、SNS・共通ポイントを活用した全方位営業、④調剤事業における地域の健康増進を支援する「健康サポート薬局」づくり、「かかりつけ薬剤師」の質の向上への取り組み、⑤基幹システム刷新や効率的な物流システムの構築を目的とした物流センターの自社化等、諸施策を推進している。

同社が属するドラッグストア業界は、同業各社の積極的な出店やEC拡大による購買チャネルの多様化等により一層厳しさが増している。調剤薬局業界においては、社会保障・医療の質に対する国民意識の高まりを背景に、高度な服薬指導や服薬情報の一元的・継続把握を行う「かかりつけ薬剤師」の育成や「健康サポート薬局」の展開、後発医薬品の使用促進等、多様な医療ニーズへの対応が求められている。

当第3四半期連結累計期間においては、マスクや消毒用アルコールなどの関連商品の需要増加があったが、都市型店舗でのインバウンド需要や化粧品、調剤事業における処方せん枚数の減少、足元における総合感冒薬やその関連商材の大幅な落ち込み等もあり、売上全体を大きく押し下げている。
さらに、大掃除商材など通例の年末需要も弱く、巣籠り需要等により堅調に推移していた日用品カテゴリーの伸び幅鈍化もあり、当第3四半期連結累計期間の既存店売上高増収率は5.8%減となった。
出退店については、兵庫県を中心に関西において69店舗を展開する株式会社フタツカホールディングスのグループ化を含め、新規127店舗を出店、28店舗を退店し、収益改善を図るとともに、7店舗の改装を実施し、店舗の新陳代謝を促進した。
当第3四半期連結会計期間末の当社グループ店舗数は、1,444店舗、調剤取扱店舗数は407店舗となった。なお、健康サポート薬局は59店舗。その他、卸売事業における取引先店舗数の減少もあった。
こうした結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2810億9500万円(前年同期比7.9%減)となり、人件費や広告宣伝費など経費削減の取り組みや、改装投資の抑制等による経費コントロールによって収益確保に努めたものの、営業利益は79億15百万円(同13.3%減)、経常利益は96億9500万円(同11.0%減)となった。マツモトキヨシホールディングスとの資本業務提携に基づく商品仕入れの一本化、マーチャンダイジングの統一等、経営統合シナジーの早期実現への取り組みに伴って生じた商品統合関連費用を、主に第2四半期に特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は27億9500万円(同55.9%減)となった。

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