メクル第524号 「ながさきプログラミングアワード」 藤本君大賞 長崎の風景を映像に 3月全国へ「入賞目指す」

大賞を受賞した藤本君=長崎市内

 コンピュータープログラミングで表現(ひょうげん)した作品を発表する「ながさきプログラミングアワード」の最終審査(しんさ)が1月31日にオンラインで開かれ、大賞には長崎・精道(せいどう)三川台(みかわだい)小6年の藤本佳希(ふじもとよしき)君(12)が選ばれました。
 大会のテーマは「もっと好きになるわたしたちのまち」。藤本君がつくったのは「Nagasaki(ナガサキ)&(アンド)rain(レイン)~My(マイ) City(シティー)~」という映像(えいぞう)作品。制作(せいさく)の背景(はいけい)や工夫した点などを教えてもらいました。優秀(ゆうしゅう)賞の4作品と合わせて紹介(しょうかい)します。

 初めての挑戦(ちょうせん)で大賞に輝いた藤本君。印象的なピアノ曲にのせて、幼(おさな)い頃(ころ)にたくさん遊んだ公園や自然、長崎の風景の写真と、アニメーションを組み合わせた映像で表現しました。
 藤本君がプログラミングを始めたのは、小学2年生のとき。マンガで書かれた入門書などを見てまねをしたり、簡単(かんたん)なゲームをつくったりして一人で勉強を続けてきました。「自分の作品を誰(だれ)かに見てもらいたい」。お母さんの勧(すす)めもあり、プログラミングの大会に初めて応募(おうぼ)したそうです。
 作品に使用した曲は、ピアノ教室の先生が作ったオリジナル。曲を聴(き)くとまず、頭の中に“色”が浮(う)かんでくるといいます。それから「雨が合うな」と感じ取り、「傘(かさ)、しずく、波紋(はもん)…」と雨に合う物を連想していき、イメージを組み立てます。
 雨粒(あまつぶ)が水たまりに落ちて広がる波紋や、傘を回している様子など、雨降(ふ)りのシーンを上から見たアニメーションをつくり、「雨」「街」「人」を再現(さいげん)。写真を使って現実(げんじつ)の世界を、アニメーションで現実とは違(ちが)う世界を、それぞれ表現しました。
 使用したアプリ「スクラッチ」では動画が組み込めないので、たくさんの写真を使って動画のように見せる工夫をしました。こだわったのは写真を次々に切り替(か)えて映(うつ)し出していく際(さい)のわずかな間隔(かんかく)で、細かく何度も調整を繰(く)り返したそうです。その分、データ量が重くなってしまい、「何度もデータが消えてしまった」と苦労話も教えてくれました。
 プログラミングの楽しさは「自分がつくるプログラムでいろいろな世界が広がるところ」。とても難(むずか)しくて、壁(かべ)にぶつかることもありますが、そんなときは「考えられるいろんな方法を試してみる。自分で分かった方が自分の力になるから」と藤本君。後悔(こうかい)したくないから、途中(とちゅう)で投げ出すことはしません。
 早くも、次に手掛(てが)ける映像作品を構想(こうそう)中とのこと。3月にオンラインで開かれる全国大会に向けて、「どんなすごい人がいるのかを知るいい機会。できれば入賞したいです」と目を輝かせていました。

◎どんな大会?

 ながさきプログラミングアワードは、県内に住む小学3~6年生を対象とした大会です。本年度から小学校で必修(ひっしゅう)化したプログラミング教育について理解(りかい)を深めようと、全国の地方新聞社が連携(れんけい)して各地で同様の大会を開いています。
 応募(おうぼ)があった15作品のうち、最終審査(しんさ)に進んだのは5作品。参加者はプレゼンテーションで作品をつくろうと思ったきっかけや工夫したところなどを発表し、審査員からの質問(しつもん)に答えました。
 評価(ひょうか)のポイントは、プログラミングの技術(ぎじゅつ)だけではありません。アイデアの独創性(どくそうせい)やそれを表現(ひょうげん)する力、プレゼンテーションの態度(たいど)などが総合的(そうごうてき)に審査されました。
 大賞を受賞した藤本君は、3月にオンラインで開かれる「全国選抜(せんばつ)小学生プログラミング大会」に出場します。

 主催(しゅさい) アドミン▽共催 長崎新聞社▽協賛(きょうさん) NDKCOM、オフィスメーション、福祉(ふくし)ソフト

上から見た雨降りの様子は、傘の動きや雨粒が波紋になるアニメーションが印象的

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