安倍晋三氏の “ポスト森喜朗” 再浮上 自民党内は世論を恐れて「逃げ腰モード」

安倍晋三氏

昨年、持病の悪化で首相を電撃辞任した安倍晋三氏(66)が、女性蔑視発言などで東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を辞任した森喜朗氏(83)の後任候補者として再び取り沙汰され、自民党内で波紋を広げている。

発端は、元JOC国際渉外担当だった春日良一氏が15日に放送された日本テレビ系「ミヤネ屋」に生出演。森氏の後任問題について言及した。同番組では、橋本聖子五輪担当相(56)や前スポーツ庁長官の鈴木大地(53)、元五輪相の丸川珠代氏(50)やスポーツ庁長官の室伏広治氏(46)、JOC理事の小谷実可子氏(54)、安倍氏の6人を〝ポスト森〟の候補者として名前を挙げた。

春日氏は「誰がふさわしいか」と問われると「現実的に考えます。素晴らしい人が挙がっているが、スポーツの歴史から上がってきた人」と話した上で「火中の栗を拾わなければいけない。そうすると、安倍さんしかいない」と言い切った。

安倍氏といえば、リオ五輪でマリオのコスプレで登場して、五輪招致に大きく貢献した。体調面の心配はあるが「桜を見る会」の検察による捜査は、既に終了している。

永田町関係者は「安倍氏なら、IOCバッハ会長との太いパイプや国際的な知名度などからも適任者」との見方が出る一方で「国内の世論が納得するかは別問題です。再び過去の問題が掘り起こされると、マイナス面のほうが大きい」と不安な声が上がっている。

安倍氏本人は、森氏が辞任した直後、周辺の親しい自民党議員らに「やりたくない」と漏らしたという。

自民党議員は「新型コロナ禍の中で、五輪開催を前提とした森氏の後任に安倍氏の名前が出ましたが、話題にしていません。政党支持率が下がりましたし…。透明性が確保され、混乱がなく、早期に新会長が選任されるなら『誰でもいい』というムードが流れています」と話した。

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