馬毛島基地建設で地元理解へ全力尽くす 菅総理

 種子島から約10キロ離れた鹿児島県西之表市の無人島「馬毛島」に米軍空母艦載機のための陸上型離発着訓練(FCLP)施設と自衛隊基地の建設計画が進んでいるが、15日の衆院予算委員会で計画が取り上げられ、菅義偉総理は「(建設へ)住民のご理解とご協力を得る努力に尽きる。全力を尽くす」と答弁した。

 岸信夫防衛大臣も「地元の理解と協力を頂くことは大変重要なこと」としたうえで「自衛隊基地については我が国の南西防衛また米軍空母艦載機の離着陸訓練実施は日米同盟強化に大きく貢献する重要なもの」と建設に理解を求めた。

 また住民理解と協力を得るために島周辺のボーリング調査や環境影響評価など必要な調査を進めながら説明していく考えを強調した。

 日本共産党の田村貴昭衆院議員の質問に答えた。田村議員は基地建設に反対している市長がさきの市長選で再選され、住民の意思は「建設反対と示されている」と訴えた。また離発着訓練について「陸上の滑走路を空母の甲板に見立てて、タッチ・アンド・ゴーを繰り返し、凄まじい爆音を撒き散らす。1回の訓練で10日程度、2000回~3000回に上るとされている。訓練は朝~深夜3時まで続き、数分おきにひっ切りなしに続く。さらに政府は島全体を買収し、陸海空のあらゆる訓練を想定している。米軍、自衛隊の訓練を合わせると年間約150日を見込んでいる。種子島の住民が大きな不安を抱くのは当然だ」と不安視する住民の視点から計画の撤回と基地建設の中止を強く求めた。

 しかし岸大臣は「地元の皆様の要望や質問に十分に答えていくためにも、様々な調査、検討を事業の進捗に合わせ、改めて皆様に説明したい」とし、計画を進めながら、その都度、説明していく考えを強調した。(編集担当:森高龍二)

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