KDDIと対馬市が包括連携協定 ICTで環境保護を 外来種ハチ駆除提案

包括連携協定に署名した(左から)山中九州総支社長と比田勝市長=対馬市役所

 長崎県対馬市とKDDIは16日、同社の情報通信技術(ICT)を生かし、生物多様性保全などの地域課題解決を目指す包括連携協定を締結した。県内自治体で同様の協定締結は、2019年にマグロ養殖へのICT導入で結んだ五島市などに次いで3例目。
 今回は、環境問題などの「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進する自治体を国が支援する「SDGs未来都市」に対馬市が昨夏選定されたことを受け、同社が市側に働き掛けて実現。連携事項として、生物多様性保全のほか、産業への情報通信技術の導入・活用、交流・関係人口の拡大、人材育成などが含まれている。
 このうち生物多様性保全分野では、樹上などに巣を作るため駆除が困難だった外来種のツマアカスズメバチ駆除に向け、小型無人機ドローンで撮影した空撮映像や画像から人工知能(AI)で巣を自動検出するシステムの構築を同社が提案している。
 同市役所と同社九州総支社(福岡市)をテレビ会議で結んで協定締結式があり、比田勝尚喜市長は「対馬の自然とKDDIの技術を有効活用し、連携してSDGs推進につなげていきたい」とあいさつ。山中直樹・同社理事九州総支社長は「ご期待に沿えるよう、関係者一丸となって尽力していきたい」と述べた。

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