菅首相長男疑惑 証拠音声でわかった人気急上昇中「イケメン議員潰し」

立て続けの醜聞にひと息ついているヒマはない

菅政権にまたも“文春砲”だ。発売中の「週刊文春」は自民党の白須賀貴樹衆院議員(45)の“夜のパパ活”疑惑と、菅義偉首相(72)の長男から総務省幹部が接待を受けた疑惑の続報という2発をセット。さっそく白須賀氏は17日に離党に追い込まれた。長男の疑惑ではイケメン議員へのよこしまな策謀も発覚。野党関係者は特に長男の疑惑に強い関心を持っている。支持率が上がる要素のない菅政権にとっては泣きっ面にハチだ。

「(緊急事態宣言下でもクラブ通いを)我慢できない人がいたらバカな方とのお墨付きになりますね。ただ、誰かはいるんじゃないでしょうか」と2月4日付の本紙で予言したのは横粂勝仁弁護士だが、やはり“バカ”は現れた。

宣言中に高級ラウンジに行っていたことを暴かれた白須賀氏のことだ。週刊文春によれば、2月10日夜、若い女性と一緒にフレンチレストランで食事を楽しんだ後、ラウンジに“同伴”したという。

報道を受けて、白須賀氏は17日に自民党本部に離党届を提出。集まった報道陣に「心からおわび申し上げます」と謝罪した。ラウンジに行った理由については知人が店長だったとし、「少しでも売り上げの足しになればと思ってしまった私が軽率だった」と明かした。新型コロナウイルスで困る店を助けようとしたと言わんばかりだ。

白須賀氏は「次回の衆院選には出馬しない」と断言するも、議員辞職は否定した。「今、辞職すると補選となり、自民党にとって厳しい戦いとなることを配慮したのではないか」(永田町関係者)。

白須賀氏の件より燃え上がりそうなのが、放送事業会社「東北新社」に勤める菅首相長男の件だ。同誌では録音データをもとに、長男と総務省幹部の密接な関係に迫っている。

「菅首相長男『ウソ答弁』証拠音声を公開する」と題した記事で、接待の席でどんな会話がなされていたかが詳細に書かれており、なかでも注目を引くのが自民党の小林史明元総務政務官(37)に言及したくだりだ。小林氏はBS放送の新規参入に前向きな人物で、菅首相長男と関係が深い東北新社にとって要注意人物だったことが会話から分かる。

驚くのは総務省幹部が小林氏について「どっかで一敗地に塗(まみ)れないと、全然勘違いのままいっちゃいますよねぇ」と評価していること。官僚たちが気に食わない政治家潰しの策謀でもしているのかと受け取られても仕方がない表現だ。

政界関係者は「官僚と政治家の力関係は官僚の方が上になりがち。というのも政治家が政務官や副大臣になっても、その専門に詳しい官僚から見ればヒヨッコ。政治家もそれが分かっているから特に幹部にはペコペコする」と指摘する。

小林氏は当選3回の若手だが、現在はワクチン担当大臣補佐官を務めるホープでもある。しかも、イケメン議員としても注目を浴びている。総務政務官の経歴についても、小林氏はNTTドコモ出身だけに、総務省の分野について何も知らないわけではなかったはずだ。

「そこが官僚からすると鼻についたというのはあるでしょう。幹部なら若い政治家を潰すとは言わないまでも、『調子に乗るなよ』とコツンとすることぐらいはできる」と政界関係者は言う。

いずれにせよ、生々しい話ができるほど菅首相長男サイドと総務省幹部は密な関係ということだ。

もちろん野党は臨戦態勢。立憲民主党関係者は「菅首相の息子だからという“忖度”があったことをあぶり出したい。菅内閣のすべてがこうした忖度で決まっているという体質が果たしていいのか。そこを国会質疑を通して国民に判断してほしい」。菅政権は崖っ縁だ。

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