〝父〟への配慮!? 橋本新会長は「女性蔑視」「女性差別」のワード出さず

森氏への配慮も見せた橋本新会長(代表撮影)

東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に就任した橋本聖子氏(56)が18日、都内で会見を行い、女性蔑視発言で会長を辞任した森喜朗氏(83)への思いを語った。

橋本新会長にとって、森氏は「政治の師でもあり、大変特別な存在」。自身の政界進出のきっかけを作ったことから2019年に五輪相として組織委を訪問すると、橋本氏は「私の父なんです」とし、森氏も「娘だと思っている」と話していたほどだ。

そんな森氏は「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などの発言で批判を浴びたが、橋本氏なりの配慮があったのか会見では〝女性蔑視〟や〝女性差別〟といった言葉は一度も使用せず「一連の状況」と表現した。

「今回の一連の状況に対して森会長から発言の撤回と謝罪があり、熟慮の末、辞任をされた。そのことは真摯に受け止めて、私自身がそういった問題を解決するために努力をしていかないといけないと思っている」

一方、森氏とは来週にもコンタクトを取り「今までのことについての引き継ぎを受けたい」と明かした。

また、橋本氏は森氏のこれまでの活動実績を挙げ「長年にわたり、ラグビーW杯、サッカーW杯、そして五輪・パラリンピックの招致活動も含めて非常にスポーツ界にご尽力いただいた。そういった経験と実績は、私はやはりアドバイスをいただかないといけない局面もあるだろうと」と、今後も助言を仰ぐことがありそうだ。

「一連の状況と同時に(森氏の)実績、経験を前向きに捉え、前に進める原動力にすることが私自身の会長としての役割」と前を向く。組織委の運営、大会開催へ「正していくべきものと継承すべきものとあるが、その部分はしっかりと区別してやっていきたい」と意気込んだ。

バトンは〝父〟から〝娘〟へ受け継がれた格好だ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社