【新型コロナ】ワクチン接種 横浜労災病院も開始 「社会状況変えられる」

ワクチン接種を受ける医療従事者=18日午後3時半ごろ、横浜労災病院

 新型コロナウイルスワクチンの先行接種が神奈川県内でも進んでいる。実施する4病院の一つ、横浜労災病院(横浜市港北区)は18日、医師や看護師ら医療従事者6人に初めて接種。1年超にわたり感染症治療に奔走する現場からは、「防護具と合わせた二重の対策だ」「苦境を打破するきっかけに」と期待の声が上がった。

 同病院の接種希望者は184人。ワクチンは17日に届いており、6人は体温測定や問診を経て接種を受けた。いずれも強い痛みを感じず、目立った副反応もなかったという。接種後、三上容司院長代理は「安全性が認められれば社会の状況を変えられる」と語った。

 同病院の新型コロナとの闘いは昨年2月、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染者受け入れから始まった。昨夏の院内感染も乗り越え、現在は高齢者施設の入所者らを受け入れている。

 ワクチン接種後もフェースシールドや防護服は欠かせないが、中村俊介救急科部長は「これまでに比べ、精神的負担を和らげられる」。渡辺潤子副院長兼看護部長は「職員は長い闘いに疲弊しながら踏みとどまってくれている。一日も早く元の日常に戻ってほしい」と願った。

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