県庁跡地調査 1600年代の大型瓦片など出土 江戸期以前 建物遺構見つからず

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県庁跡地の調査で見つかった丸い瓦の破片など=長崎市江戸町

 江戸時代に長崎奉行所があった長崎県庁跡地(長崎市江戸町)で行われている埋蔵文化財調査で、当時の建物で使われたとみられる1600年代製の大型の瓦の破片などが見つかったことが、県教委への取材で18日までに分かった。一方、今回の調査で発見が期待された江戸期以前の建物の遺構は見つからなかった。
 同跡地は16世紀の長崎開港後、国内キリスト教の拠点「岬の教会」が置かれ、江戸期の禁教令後に奉行所が建つなど、歴史的に重要施設が立地。2019年度の試掘調査で古い瓦や陶磁器片などを含んだ地層が出土した敷地西側で、県教委が昨年12月に本格的な調査に着手。これまでに、ほぼ作業を終えた。
 県教委学芸文化課によると、1392平方メートルの範囲を発掘。直径1メートルほどの井戸跡や明治期の構造物、盛り土などが見つかった。
 井戸跡の中からは大量の瓦片、陶磁器片などが出土。瓦片は、長崎奉行所立山役所跡(同市立山1丁目)など、県内外で発掘例がある直径15センチほどの丸い瓦のかけらなど。うち一つには小さな「大」の文字が刻まれており、過去に玖島城跡(大村市)や鹿児島県などで見つかった例がある。いずれも、奉行所の建物で使われた可能性がある。
 一帯は19年度の調査で17世紀前半の土や遺物が見つかり、当時の地層とみられていたが、範囲を広げて掘り下げたところ、西寄りの広範囲が明治初め頃に掘り返して造成されていたことが判明。これ以前の地層は残っていなかった。
 同跡地は当初、長崎市の「文化芸術ホール」建設が計画されていたが、19年度の調査を受け市が建設を断念。県教委は本年度も調査を続け、昨年5~10月の敷地南側の発掘では大規模な石垣遺構などが出土した。
 県教委は今後、調査結果の概要をまとめ、県は跡地活用策の検討を本格化させる見通し。同課の濵村一成主任文化財保護主事は「建物の遺構は見つからなかったが詳細な調査ができた。結果を跡地活用に生かせるよう報告をまとめたい」と話している。

県庁跡地の調査状況