2020年の摘発11件 不正薬物はゼロ 長崎税関

 長崎税関は17日、2020年の不正薬物密輸入などの取り締まり状況を発表した。管内(壱岐、対馬を除く県内、佐賀と福岡の各一部、熊本と鹿児島の全域)の摘発数は11件で、前年から半減した。たばこなどの無許可・虚偽輸入事犯が6件で、不正薬物や銃の摘発は5年ぶりになかった。
 同税関は「新型コロナウイルス感染症の水際対策でクルーズ船などの旅客が激減したことが影響した」としている。無許可・虚偽輸入以外では、入港時などの手続き違反が4件あった。
 管内で不正薬物の摘発はなかったが、郵便物を利用した密輸入は増加している。他の税関が摘発した事犯でも長崎税関管内に送付先があって捜査を引き継いだのは前年から2件増え計5件。長崎税関が検察庁に告発したのは米国からの国際郵便で大麻を密輸入しようとした福岡県久留米市の日本人男性らで、県内はいなかった。
 同税関は「漁業関連や輸出入にかかわる業者との連携を強化し、水際での取り締まりを強化していく」としている。

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