中原中也記念館がオンライン講演 「今、読む、中也。」が2月27日に開催

 作家の高橋源一郎さんと、詩人の伊藤比呂美さんがコロナ禍の「今」、没後80年以上を経た中原中也の詩を読み続けることの意味を語り合うオンライン講演会「今、読む、中也。」が2月27日(土)午後2時から3時までテレビ会議システム「Zoomウェビナー」を利用して開かれる。主催は中原中也記念館(山口市湯田温泉1、TEL083-932-6430)で、聴講は無料。

▲高橋源一郎さん
▲伊藤比呂美さん(撮影:吉原洋一)

 高橋さんは1951年広島県生まれ。1982年、小説「さようなら、ギャングたち」で群像新人長編小説賞を受賞し、デビュー。1988年に「優雅で感傷的な日本野球」で三島由紀夫賞、2002年に「日本文学盛衰史」で伊藤整文学賞、2012年には「さよならクリストファー・ロビン」で谷崎潤一郎賞を受けた。その他著書に「虹の彼方に」「ジョン・レノン対火星人」「『悪』と戦う」「ゆっくりおやすみ、樹の下で」「今夜はひとりぼっちかい?」などがある。2005年に明治学院大学教授に就任し、2019年まで14年間勤務。新聞にコラムを執筆し、テレビやラジオにも出演している。野間文芸新人賞、中原中也賞などの選考委員も務める。

 伊藤さんは1955年東京都生まれ、熊本県在住。1978年、詩集「草木の空」でデビューする。性と身体性をテーマに現代詩をリードしつづける一方、80 年代には「良いおっぱい悪いおっぱい」で出産育児エッセーの分野を切り開いた。さらに、「河原荒草」「とげ抜き新巣鴨地蔵縁起」等では、説経節と現代詩が融合した語り物の世界を作りあげた。また、「読み解き般若心経」「新訳説経節」等では古典や仏典の現代語訳を通して、「女の絶望」「女の一生」等では女の生活を通して、生活の中の生と死を見つめている。植物や自然に関する著作も多数あり、近作は「切腹考」(2017年)、「道行きや」(2020年)。西日本新聞・東京新聞他で長年人生相談に答えるなど、活動は多岐にわたる。1997年に米国カリフォルニアに移住し、2018年に帰国。同年4月より早稲田大学で教壇に立っている。これまでに現代詩手帖賞、野間文芸新人賞、高見順賞、萩原朔太郎賞、紫式部文学賞、早稲田大学坪内逍遙大賞、種田山頭火賞などの受賞歴もある。

 聴講希望者は、中原中也記念館ウェブサイト(https://www.chuyakan.jp/)の専用申し込みフォームから事前に氏名、メールアドレスの登録が必要。登録後、当日参加するためのリンクとパスワードがメールで送信される。

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