森失言は“伝言ゲーム”失敗から生まれた? 山下泰裕会長から報告を受けて…

左から森氏、山下氏

日本オリンピック委員会(JOC)は19日、都内で理事会を開催し、女性蔑視発言で会長を辞任した東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗氏(83)の発言内容とは異なる見解を改めて主張した。

森氏は今月3日、JOC臨時評議会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言。その後の謝罪会見でJOCの山下泰裕会長(63)が女性理事を増やすことに苦労していたという趣旨を口にしていたが、理事会後に籾井圭子常務理事は「森前会長の発言の真意は森前会長にお聞きいただかないと分からない」と前置きした上で「女性理事を増やすべきというのはみんな一致していた。反対という話はなかったと思う」と否定した。

その一方で、当時は理事選考方法の見直しの意見なども出たといい、その議論の中で「五輪前に改革をする必要あるのか」という声が挙がったという。それを受けて山下会長は検討案件を森前会長に報告。関係者によると、この段階で伝言ゲームのような齟齬(そご)が生じたとみられる。

また、この日の理事会では議事の前に組織委・橋本聖子新会長(56)について意見交換が行われた。籾井氏は「今回の決断について感謝とともに、多くの理事からアスリートの気持ち、NF(国内競技連盟)の実情、強化現場を熟知されていて、五輪への熱い思いを持つ方が会長に就任されたことへの期待の声が挙げられた」といい、全会一致で「橋本会長を歓迎し、全力で支える」と決議されたという。

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