Jフォイル漂流原因は巨大肉片か 取水口に詰まり発電機冷却不能に

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両津港に接岸したつばさ。救急隊に支えられながら船を下りる乗客もいた=19日午前2時30分前、佐渡市

 18日に佐渡市姫崎沖を航行中に漂流物を吸い込んだトラブルで一時漂流した佐渡汽船ジェットフォイル「つばさ」は19日午前2時10分ごろ、佐渡海上保安署の巡視艇にえい航され、両津港に到着した。吸い込んだ漂流物は大型の海洋生物の肉片とみられる。佐渡汽船は肉片が詰まって海水を取り込めず、航行に必要な主力発電機を冷却できなくなって航行不能になったと説明。運輸安全委員会仙台事務所は19日までにトラブルの原因などの調査に着手した。

 第9管区海上保安本部などによると、約10時間にわたって船内にいた乗客36人と乗組員4人にけがはなかった。9管は19日、18日に設置した対策本部を解散した。

 つばさは海水を吸い込んで噴射し、前に進む。吸い込んだ海水は主力発電機の冷却にも使われる。

 9管と佐渡汽船によると、海水の吸い込み口に、長さ60センチと45センチの肉片が詰まっていた。逆噴射でも取り除くことができず、主力発電機の冷却もできなくなって推進力を失い=イメージ図参照=、新潟海上保安部に連絡した。

 その間、ポンプでくみ上げた海水で二つの予備バッテリーを交互に動かすなどして電源を確保したものの、速度はほとんど出ず、近くを航行していた同社のカーフェリー「あかね」と巡視船艇がえい航した。着岸に必要な電力を確保するため、船内放送などは控えた。

 両津港到着後、肉片は潜水士が取り除いた。つばさの船体に損傷がなかったことから、19日午前7時20分両津港発の始発便で予定通り航行した。

 佐渡汽船によると、トラブル発生当時、船員4人が海上周辺を確認していたが異変はなく、安全運航マニュアルに沿って対応した。あかねでのえい航中に直径4センチのロープが切れたことについては、強いうねりで負荷がかかったためでロープの老朽化ではなかったとしている。

 同社は「ここまで大きな肉片を吸い込んで航行不能になったのは過去40年ぐらいでは初めて」と説明。「お客さまを長時間船内にとどめてしまい申し訳ない」としている。

 海難事故に詳しい東海大海洋学部の山田吉彦教授は「海水の吸い込み口が肉片でふさがれたケースはあまり聞いたことがない」と話した。