ひとり親や作家をマルシェで支援 長崎のパン屋 売り上げ一部寄付

雑貨の作家やひとり親家庭を支援するため、2階でマルシェを開くベッカライ・ナガサキ=長崎市

 新型コロナウイルス流行下のイベント自粛のあおりを受けた雑貨などの個人事業者を応援しようと、長崎市内のパン屋が23日、店内スペースを無償提供し、マルシェ(市場)を始める。毎月開催し、売り上げの一部はひとり親家庭の支援に充てる。
 同市元船町の「元船石窯パン製造所ベッカライ・ナガサキ」(西島直孝代表)が同日午前10時~午後5時に「ベッカライ・マルシェ」と銘打ち開催。▽アクセサリー▽タロット占い▽編み物▽布物▽バランスボール▽オーダーメード子供服▽己書(おのれしょ)▽かご-の作家8人が販売や体験会をする。入場無料。
 西島代表は昨年、入居ビル2階の空き室を借り、修学旅行生向けにカステラ作り体験教室を始めた。だがコロナ禍で申し込みが途絶えたため、有効活用策を模索。ひとり親が雇い止めされた事例や、地元支援団体「ひとり親家庭福祉会ながさき」の活動をニュースで知り、同団体に100円寄付する条件で貸し出すことにした。さらに、店舗を持たずイベントに頼る作家も販路を断たれて困っていると聞き、同じ条件でマルシェを企画した。
 一方、自店のパンもコロナ禍で売れ残るようになっていたため、同団体やホームレス支援団体などに計3千個以上を冷凍、品質保持した上で寄贈してきた。
 西島代表は「せっかくの店内スペースを使わず、パンも廃棄するのがもったいなかった。少しでも皆さんの商売や生活のプラスになればうれしい」と話す。問い合わせはベッカライ・ナガサキ(電095.822.6839)へ。


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