『鬼滅の刃』vsツイフェミに新展開! 差別問題と戦ってきた“鬼滅”の歴史

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性差に由来する差別を批判するフェミニストたち。とくにその中でもツイッターで行き過ぎた表現規制を訴える人々は〝ツイフェミ〟と呼ばれ、恐れられている。現在大ヒット中の『鬼滅の刃』もツイフェミのターゲットとなっているようで、しばしば批判の的となっているようだ。

もっとも新しい炎上案件は、「鬼滅の刃」アニメ第2期が発表された際に起きた。第2期は「遊郭編」と題されており、竈門炭治郎たちが音柱・宇髄天元とともに鬼が棲む遊郭へ向かう…というストーリー。

一部のツイッターユーザーは、子どもに人気のアニメで遊郭を取り扱うのは「不適切」だと感じたようだ。第2期の詳細が明かされるや否や、《ここまで子どもに人気なのに、遊郭をどう説明するつもりなんだろう。梅毒で死ぬか飢えで死ぬかの世界なのに》《遊郭の真実を描き、R15指定するならまだいいけど、小学生やそれ以下の子どもたちが見るのはまだ早いと思うな》《鬼滅の刃は全く読んだことがなく、原作がどうだったのかも知らないんですが、ロマンチックな場所…みたいな描き方されたら嫌だなと思っています》といった声が巻き起こっていた。

「鬼滅の刃」とツイフェミにまつわる騒動

炎上騒動が起こったのは、今回が初めてではない。「遊郭編」以外にも、ツイフェミは「鬼滅の刃」のさまざまな設定を批判してきた。

炭治郎のもっとも有名なセリフとして、アニメの第12話で登場した「俺は長男だから我慢できたけど、次男だったら我慢できなかった」というものがある。これも批判の的となっていたようだ。批判の声をまとめると、このセリフは男女の性別役割を固定化するものであり、非常に差別的とのこと。言いたいことはわかるものの、炭治郎の変人らしさを描いたコミカルな場面であり、目くじらを立てるようなものではないだろう。また、大正時代という設定を考えても、当時の人権意識から逸脱したものとは言えないはずだ。

その他、竈門禰豆子が口に咥えている竹も「差別的」と話題に。この口枷は人を襲わないようにと、冨岡義勇が咥えさせたものだが、元サンデー毎日編集長の山田道子氏はそうは捉えなかったようだ。昨年11月更新の毎日新聞電子版『経済プレミア』にて、「鬼にならないように竹の口枷をくわえているのは『女はしゃべるな』みたいに私には思えるし、鬼にならないと戦えないのもなぜ?と思ってしまう」と言及している。斬新な観点の指摘ではあるが、ネット上では「原作を読んでいれば出てこない批判」というツッコミもあがっていた。

また、恋柱・甘露寺蜜璃の入浴シーンが批判されたことも。ツイフェミからは《恋柱の入浴シーンをガッツリ性的に書いてたりして性的消費はしてるからちょっと疑問…》《わざわざ頬染めて胸を髪で隠させて「ドキドキ」しちゃうなんて言わせる必要なくない?》などと、疑問が呈されていた。たしかに「鬼滅の刃」では珍しいお色気的なシーンなので、批判には一理あるのかもしれない。しかし、わざわざ目くじらを立ててまで作品に触れる必要があるのかどうかは、意見が分かれるところだ。

ツイフェミによると、「鬼滅の刃」には性差別的な要素が多く含まれているらしい。だが実際に作品に触れてみれば、女性ヒロインの活躍が数多く描かれていることが分かる。また、同時代の少年マンガと比べて、差別問題と真摯に向き合っていることもたしかだ。「遊郭」に関する扱いも、決して美化するようなものではなく、その残酷性を鋭く描き出している。

作品をSNSなどで批判するのはもちろん自由。ただ、説得力のある批判を行いたいのであれば、まず原作をしっかり読み込むべきかもしれない。

文=城門まもる
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