優勝候補・Wソックス チーム唯一の穴に強打の有望株を抜擢か

今オフのホワイトソックスは先発にランス・リン、抑えにリアム・ヘンドリックス、右翼にはアダム・イートンを加え、戦力を大きくアップさせた。また、監督には殿堂入りの名将トニー・ラルーサを迎え、本気でワールドシリーズ制覇を狙いに行く姿勢を明確にしている。しかし、そんななかで補強が手付かずとなっているのが指名打者のポジションだ。リック・ハーンGMは2019年ドラフト全体3位で指名したアンドリュー・ボーンを抜擢する構想があることを明らかにした。

ハーンは有望株スラッガーのボーンについて「開幕ロースター争いに間違いなく加わることになる」と発言。昨季マイナーリーグのシーズンが開催されなかったため、ボーンはまだプロ入り後1シーズンしかマイナーでプレーしていないが、2019年は3階級合計で55試合に出場して打率.278、6本塁打、36打点、出塁率.384、OPS.832を記録。三振(38)とほぼ同数の四球(30)を選んだ完成度の高い打撃は高い評価を受けている。

カリフォルニア大バークレー校では3年間で160試合に出場して打率.374、50本塁打、163打点、出塁率.495、OPS1.183という驚異的な成績をマーク。75三振に対して123個もの四球を選んでいる。今オフのホワイトソックスが何度も指名打者候補への興味を報じられながらも獲得に動いていないのは、ボーンが今季の早い段階でメジャーへ昇格することを期待しているからだとみられており、オープン戦での出来次第で開幕ロースター入りを勝ち取っても決して不思議なことではない。その場合、一塁と指名打者を主砲ホゼ・アブレイユと分け合うことになるだろう。

ボーン以外では正左翼手のエロイ・ヒメネスが指名打者に適任とみられているが、ハーンは「指名打者で出場することがあるかもしれないが、彼はあくまでもレギュラーの左翼手だ」とレギュラーの指名打者として起用することを否定。メジャーリーグ公式サイトでホワイトソックスの番記者を務めるスコット・マーキンは、ボーンが開幕ロースターに入らない場合、控え捕手のザック・コリンズが指名打者候補の1番手になると予想している。

捕手、内野手、外野手、先発ローテーション、ブルペンといずれも充実の戦力が揃っており、指名打者だけが穴となっているホワイトソックス。そこに有望株スラッガーが収まれば、いよいよ本気でワールドシリーズ制覇を狙えるチームが完成する。

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