CL出場名門チームにあわや“ニセ選手”が入団 正体はただの素人だった!

昨年12月、ELに出場したCSKAソフィア(ロイター、写真と本文は直接関係ありません)

欧州の名門チームが、過去にズブの素人の〝ニセ選手〟と入団合意する珍事件が起きていた。

英紙「デーリースター」は「ニセのサッカー選手が、ニセ履歴書で、欧州チャンピオンズリーグ(CL)に出場経験のあるチームと契約を結ぶ寸前までいった」と報じた。

驚きの事件が起きたのは2009年。グレゴワール・アクセロッド氏は子どもの頃にサッカー選手になってCLに出場する夢を抱いていたが、そのプレーは「あまりにもひどかった」ため、父親にサッカーをやめさせられた。

しかし、サッカーが好きだった同氏は、成人してからマクドナルドでバイトしながら、フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)が運営するアマチュアクラブに入ってプレーしていた。

プレーするうちにかつての夢を思い出してCLへの思いが募っていった同氏は、同クラブのリザーブチームに在籍したように見せかけた自身のサイトを作成。他の選手の新聞記事を自分の名前と差し替えて掲載したり、本拠地スタジアムに忍び込んで撮影した映像や写真を紹介した。

こうした資料を基に欧州全土のクラブに入団テストを申し込み、イングランドのスウィンドン、ノリッジ、ボーンマスなどのクラブでテストを受けたが、すぐにバレて不合格となった。

しかし、ブルガリアで優勝やCL出場経験もある名門CSKAソフィアでは「私は2日間のテストを行い、コーチから『サインしたい』と言ってきた」とまさかの合格となり、入団合意に至ったのだった。

合格が報じられ、同クラブのファンがPSGのファンに「どんな選手なのか」と尋ねたことから、ニセ選手であることが発覚。正式サイン直前に破談となったという。

同氏はその後、心を入れ替えてサッカーの代理人となり、現在は少年サッカーの支援などを行っている。後日談として過去の過ちを明かしたようだが、衝撃的な〝事件〟がサッカー界で話題を呼んでいる。

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