【競泳】2年ぶり実戦のバタフライで池江が感じた〝不思議な気持ち〟

池江璃花子(代表撮影)

「本命種目」の手応えは――。競泳の東京都オープン初日(20日、東京・辰巳国際水泳場)、女子100メートルバタフライ決勝は白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20=ルネサンス)が59秒44で3位に入った。

「今までにない不思議な気持ちになった」。池江は復帰後初のバタフライ〝解禁〟に率直な感想を語った。同種目の実戦は2年1か月ぶりで、レース前は前回味わった「体調の変化や不安」が頭をよぎったという。

それでも予選から1分00秒06をマークし、東京五輪代表選考会を兼ねた4月の日本選手権(東京アクアティクスセンター)の参加標準記録を突破。決勝でもタイムを伸ばして存在感を発揮した。

ところが、本人はこの日の結果に満足していなかった。自身が設定した目標タイムの59秒3に届かず、力不足を実感。「まだ100メートルバタフライに出るのは早かったかなと。体力的にも(予選、決勝と)2本泳ぐことはハードだった」と振り返る。

また、電光掲示板に自らが保持する日本記録(56秒08)が表示されると「あれが自分のタイムかと考えると、ちょっと考えられない。あんなタイムで泳いでいたのかと」と、〝過去の自分〟とのギャップも感じているようだ。

今大会は直前まで合宿を行っていたことから「ちゃんと調整をすればもう少しタイムは上がると思う」と話す一方で、課題も浮かび上がった。

レースの映像を見返した池江は「頭が立って泳いでいるのが抵抗になっている」と自己分析。さらに、終盤の失速を挙げて「ラスト15メートルで周りの選手に置いていかれる状況になったので、まずはそこの強化。それと50メートルにもつながる前半をもう少し速く泳ぎたい」と語った。

「今日のレースで自信を無くしかけた」と弱気な発言もあった池江。日本選手権の出場種目は西崎勇コーチと相談して決定することになるが、同種目に関しては「(課題が)これからの練習でできるようになるのか、また次回にするのか今後検討したい」と話すにとどめた。

すでに参加標準を突破している100㍍自由形を含めてどんな〝最終ジャッジ〟を下すのか。

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