浮世絵で東海道の旅気分を 秦野市立図書館で企画展 神奈川

歌川広重の保永堂版「東海道五拾三次之内」などが紹介されている企画展=はだの浮世絵ギャラリー

 コロナ禍で不要不急の外出や旅行の自粛が求められる中、浮世絵を通じて旅をした気分になってもらおうと、神奈川県秦野市平沢の市立図書館内「はだの浮世絵ギャラリー」で企画展が開かれている。江戸時代後期の絵師、歌川広重が描いた東海道の宿場町など旅情あふれる37作品が並ぶ。3月14日まで。入場無料。

 「いろんな東海道の旅」と題して、広重が風景画家としての地位を不動のものとした保永堂版「東海道五拾三次之内」をはじめ、保土ケ谷や箱根など宿場町の風景画の上に狂歌を書いた「狂歌入東海道」などを紹介している。

 広重が活躍した江戸後期、東海道の宿場は参勤交代などで整備が進んでおり、旅は庶民の娯楽として親しまれるようになっていた。しかし、江戸から京まで14日前後かかっていたほか、大きな川を越えるなど危険も少なくなかったため、旅に行けない人は浮世絵を買ったり見たりすることで、思いを強めていたという。

 同市文化振興課の担当者は「京都は今なら新幹線で約2時間だが、江戸時代は14日かけて歩いた。人々が各地で見た景色に思いを重ね、旅をした気分になっていただければ」と話す。

 午前9時~午後7時(火曜日、祝日は同5時まで)。月曜日と2月26日は休室。問い合わせは同課電話0463(86)6309。

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