川崎市総合自治会館跡地に「農」「食」「健康」結ぶ交流拠点整備

施設の完成予想図(川崎市提供)

 川崎市は、市総合自治会館跡地(中原区)で、「農」「食」「健康」をテーマにした新たな交流拠点の整備を進める。土地活用を担う企業と協定を結び、ビニールハウスなどの農業施設、収穫野菜を中心とした地産地消型の飲食施設、保育施設などを併設。幅広い世代が集う場として、2022年度中の運用開始を目指す。

 市は跡地の土地利用方針に基づき、昨年7~9月に事業者を公募。今月2日に東レ建設(大阪府)と基本協定を締結した。同社は「誰もが健康に“いのち”を育む 武蔵小杉のふるさと」をコンセプトに、「農」「食」「健康」が主題の事業を展開する。

 「農」は、ビニールハウスに高床式の栽培農業施設「トレファーム」の農園を整備。子どもや高齢者をはじめ車いす利用者らが、腰に負担をかけずに野菜を育てられる。あらゆる機器を通信でつなぐ「モノのインターネット(IoT)」の自動灌水(かんすい)システムも備え、幅広い世代が野菜作りを楽しめるようにする。

 「食」は、農園や市内産の野菜を提供する飲食施設などを開設。「健康」は、子育て世代の支援を目指し、保育施設やクリニックを併設する。

 飲食施設運営には地元で飲食事業を手掛けるナチュラ(川崎市)、保育園などの子育て支援事業には一般社団法人クレイドル(東京都)、施設全体の運営は、東レ建設関連会社の東洋コミュニティサービス(大阪府)が担う。

 敷地面積は約2915平方メートルで、4月以降に着工。東レ建設トレファーム事業推進室の内田佐和(さわ)次長は「農業には交流の効果があり、まちづくりに生かせる。二ケ領用水が流れる中原区で、農業を身近に感じてもらえる場所をつくりたい」としている。

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