エース級が揃うパドレスの先発陣 10月の戦いも見据えた運用へ

パドレスは今オフ、3人のエース級の投手(ブレイク・スネル、ダルビッシュ有、ジョー・マスグローブ)を獲得し、昨季開幕投手を務めたクリス・パダックが先発5番手に入るという豪華な先発ローテーションが完成した。ただし、この5人だけで162試合制の長いシーズンを乗り切るのは難しく、ジェイス・ティングラー監督は10月の戦い(ポストシーズン)も見据え、各投手の状態に合わせて臨機応変に投手運用をしていく方針を明らかにしている。

今季のパドレスはスネル、ダルビッシュ、マスグローブ、ディネルソン・ラメット、パダックの5人で先発ローテーションを形成する。このうちラメット以外の4人は開幕投手の経験があるものの、今季の開幕投手の最有力候補とみられているのは昨季ブレイクしたラメットだ。とはいえ、ラメットは右肘に不安を抱えており、スネルとマスグローブも130イニング以上を投げたシーズンは過去に1度しかない。各投手に必要以上の負担をかけない投手運用が重要となってくる。

ティングラーは「プレーオフを勝ち抜いてワールドシリーズまでたどり着くのは長い戦いになる。今季は60試合制から162試合制に戻るのに加えて、さらに1ヶ月戦うことを考えている。そのために選手層を厚くする補強を行ったんだ」と語る。先発投手に関して言うと、登板間隔を1日のばしたり、ローテの順番を1周飛ばしたりして負担を軽減することを検討しているようだ。

また、25日間で24試合という過密日程でシーズンをスタートするため、エイドリアン・モレホンをローテに加えた先発6人制を採用する可能性もあるという。さらに、シーズン途中からは有望株のマッケンジー・ゴアやライアン・ウェザースをローテに加えて、各投手の負担軽減を図るケースも出てくるだろう。

スネルは昨季レイズで1度も6イニング以上を投げておらず、今季も慎重な起用が予想される。ティングラーは「それぞれの投手を個別に扱う必要がある。全員を1つのルールに当てはめないように気を付けなければならない」と語っており、質量とも充実した先発陣の能力を最大限に引き出すために、首脳陣の手腕が試されるシーズンとなりそうだ。

© MLB Advanced Media, LP.