地元素材を授業でブランド化 神奈川・三浦初声高の生徒、未成熟トマトからジャム、ソース

食品製造の授業でパウンドケーキを作る生徒たち。奥が瓶詰めなどの製造室=三浦市初声町和田の県立三浦初声高校

 神奈川県立三浦初声高校和田キャンパス(三浦市)で収穫した農作物の加工品が次々と生まれている。食品製造を学ぶ生徒たちが、販売できない未成熟のトマトなどを有効利用してジャムやソースを製造し、販売も手掛ける。同校は「加工品の種類を増やし、ブランド化させたい」と意欲的だ。

 最初に商品化した「あおとまとじゃむ」は、食品研究部の部員が2年前に発案。土壌の消毒などのため十分に成長せずに収穫したトマトを材料に、青臭さが消えた酸味のあるジャムに加工した。味付けのほか、商品名やラベルのデザインも生徒たちが考えた。

 同校は2019年度、農業の6次産業化に向けて都市農業科の選択科目に「食品製造」を新設した。校内に調理の実習室と殺菌処理などを行う製造室を新たに整備し、2年生が製造の基本を学んで実習につなげている。実習の一環で生徒たちはトマトジャムなどの製造に取り組んだ。

 昨秋に160本製造すると、生徒と保護者対象の収穫祭で大半が売れた。一部は横浜市内の百貨店で販売し、好評だったという。岩澤義晴さん(17)は「不純物が入らないよう注意して作った。将来は自分でマンゴーなどのドライフルーツを作ってみたい」という。

 見栄えが悪いなど販売に適さない完熟トマトを使ったトマトソースやりんごジャムとともに、ジャムは近く再開される見込みの校内直売所で販売する予定。

 同部顧問で食品製造の授業も担当する八重樫恵里教諭は「今後も味付けや見栄えを改善しながら、ミカンジャムや菓子類なども増やしていきたい」と話した。

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