「潜伏キリシタンの祈りの世界」 五島で信仰具展 28日まで

マリアなどに見立て、信仰対象となった仏像や貝殻=五島観光歴史資料館

 長崎県五島市池田町の五島観光歴史資料館で、県内で受け継がれてきたキリシタン信仰具などを紹介する展覧会「潜伏キリシタンの祈りの世界」が開かれている。聖人に見立てた仏像や貝殻など約30点を展示している。28日まで。
 同市などに構成資産がある「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録2周年を記念し、同遺産保存活用実行委(事務局・県)が開催した。3月3~14日には新上五島町の鯨賓館ミュージアムでも開く。
 展示品は、両市町や長崎市外海地区、平戸市の資料館が所蔵する信仰具。マリアなどに見立てた観音像や中国由来の仙人像の他、各地域の信仰組織が受け継いできた暦や十字架などの信仰具一式を展示している。パネルでは、潜伏期の信仰形態を今も受け継ぐ組織が多い「生月・平戸系」や、教会暦を伝承して年間の信仰行事を守っていた「外海・浦上・五島系」など、地域や時代による信仰形態の特徴も紹介している。
 同実行委は「こうした信仰具は一般的に発掘作業で見つかることが多いが、県内では家庭や信仰組織で伝承されてきた。非常に貴重な資料」としている。

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