“映え”スポット 障害者が制作 SNSで好評 季節に合わせ公園に展示

「ひな祭り」をテーマにした写真映えスポットの設置に訪れた互隣の家の利用者=西海市、伊佐ノ浦公園

 長崎県内外からキャンプ客が訪れる伊佐ノ浦公園(西海市西海町)は園内の体験交流センターに、市内の障害者作業所が制作した写真映えスポットを設けている。観光と福祉施設の連携を目指した昨秋からの試み。現在は「ひな祭り」を飾り付けている。来場者が会員制交流サイト(SNS)に写真を投稿するなど反応は上々で、作業所は「利用者の励みになっている」と話す。
 スポットを手掛けるのは西海市手をつなぐ育成会が運営する就労継続支援B型事業所「互隣の家」(同町)の利用者約30人。昨年10月、公園を運営する市観光協会がハロウィーンイベントに飾る作品を依頼したのがきっかけ。利用者は普段、室内で野菜のヘタ取りなどの軽作業をしているが、コロナ禍で受注が減り、空いた時間を制作に充てた。
 1作目はカボチャのお化け、2作目はサンタクロース。続く「ひな祭り」は、ウメの花やぼんぼりを描いた。造花材料のお花紙を利用者が1センチ大に丸め、支援員が描いた原画や段ボールの型にのりで貼り付けて仕上げた。公園スタッフの高見利恵さん(45)は「丸めた紙がもこもことして、気持ちがほっこりする」と魅力を語る。
 スポットで写真を撮ったことがSNS上に書き込まれている。互隣の家支援員の宮下真希子さん(39)は「コロナ禍がなかったら、観光施設への展示という挑戦はなかったかもしれない。地元の人だけでなく幅広い層に作品を見てもらえる」と反応を喜んでおり、利用者も「見てもらえてうれしい」「丁寧に作ろう」などと話しながら作業をしているという。
 「ひな祭り」の展示は3月中旬まで。5月の大型連休には「こいのぼり」に替える。互隣の家は26日まで同市大瀬戸町の大瀬戸ショッピングセンターでも作品展を開いている。

互隣の家の利用者が制作したカボチャのお化けと来場者(西海市観光協会提供)
12月に飾った「サンタクロース」(西海市観光協会提供)

© 株式会社長崎新聞社