60年の歴史に幕 長崎・江平中で学び幸せ 閉校式典、記念碑除幕も

校歌を斉唱する生徒ら=長崎市立江平中体育館

 長崎市江平3丁目の市立江平中(川崎信幸校長、14人)で21日、閉校記念式典があり、60年の歴史に幕を下ろした。4月からは市立山里中に統合される。
 江平中は1961(昭和36)年に開校。翌年度には過去最多の1411人が在籍した。これまでに送り出した卒業生数は、本年度の14人を含め1万623人。
 最後の生徒となった3年生14人は「完遂」を今年のスローガンに掲げ、式典に向けた準備を進めてきた。式には保護者や地域住民、同校の元教諭ら約130人が出席。川崎校長はあいさつで「『えび中魂』の精神で取り組んだこれまでの中学校生活に誇りと自信を持って前に進んでいってください」とエールを送った。
 生徒たちは授業で調べた地域の歴史やこれまでの学校の歩みなどを発表。生徒代表の溝口晄輝さん(15)は「江平中はずっと大切な場所。この学校でたくさんのことを学ぶことができ幸せだった」と語り、60年の歴史に「ありがとう」と感謝の言葉を贈った。
 式典後、正門近くに設置された閉校記念碑の除幕式もあった。碑を囲んではしゃぐ生徒たちの様子に目を細めていたのは、1回生の一瀬耕一郎さん(73)=同市坂本2丁目=。体育の授業時に運動場の石拾いをしていた入学当時を思い出して笑みを浮かべ「閉校は寂しいが学校の最初と最後を見届けられて感無量。子どもたちは高校でたくさん勉強し、立派に育ってほしい」と話した。

閉校記念碑の前で記念撮影する生徒ら

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