NY市セントラルパークのスケート場を早期閉鎖、トランプ氏との契約解消で

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トランプ・オーガニゼーションが運営するセントラルパークのウォルマンリンク(Wollman Rink)とラスカーリンク(Lasker Rink)が、本日を最後に閉鎖することがわかった。

議事堂襲撃事件を受け、デブラシオ市長は、市の施設運営に関わるトランプ・オーガニゼーションとの契約をすべて終了すると発表した。
同社は、市の契約のもと、公園内のアイススケート場のほか、メリーゴーラウンド、ブロンクスのフェリー・ポイントにあるゴルフ場を運営している。施設運営は、トランプ氏の企業に年間1700万ドルの収益をもたらしているという。

スケートリンクの契約は4月までとなっていたが、市は2月26日に早めた。トランプ・オーガニゼーションは1,700足のスケートシューズを運び出すなど、明け渡しの準備のため21日を最終日にすることにしたという。

市長の報道官は1月31日「トランプはスケートリンクの運営から弾劾された」と発表していた。

セントラルパークのリンクは、例年3月から4月初旬まで運営しているという。メリー・ゴーラウンドとブロンクスのゴルフ場はパンデミックの影響で昨年から閉鎖されている。

トランプ・オーガニゼーションは声明で「250人近くの雇用を守り、毎日のスケートセッションやホッケープログラムを提供できるよう、スケートシーズンの残りの期間の運営許可を市に求めたが、市がわれわれの試みを拒否した」と発表。エリック・トランプ氏は「ニューヨーカーを傷つけるだけの政治的スタント」だと非難した。

トランプオーガニゼーションに代わる契約を結ぶ前にリンクを閉鎖することについて、市長からの説明はない。

現在、公園局は契約相手を探しており、入札に参加を希望する企業に対し、3月19日までに提案を提出するよう告知している。

トランプ氏の成功事業

1986年に営業を再開したウォルマンリンクは、トランプ氏が30代後半に手がけ、成功させた事業の一つとして知られる。

市は1980年代、1300万ドルを投じ6年間かけてリンクの改修を試みたが、計画は頓挫した。当時39歳だったトランプ氏は、経営権と引き換えにリンクの再建計画を請負い、予算内で、予定よりも2カ月間早い4カ月間で完成させた。トランプ氏は工事の期間中、何度も記者会見を開き、大々的に宣伝した。トランプ氏はウォルマン・リンクの完成後、パーク北端にあるラスカー・リンクの運営権を取得している。

トランプ氏に批判的な文化財保護の活動家、故ジョイス・マッツ(Joyce Matz)氏は、同リンクを「トランプ氏が行った事業で唯一皆に称賛されたもの」と評している。一方、当時の公園局の広報担当者で、後に公園局長に就任したAdrian Benepe氏は、トランプ氏が引き受けるまでに、プロジェクトはほぼ完成していたと語っている。

Curbedは、スケートリンクについて「セルフプロモーションの巨大な爆発で、小さな成果を誇大広告するトランプ氏の気質を完璧に凝縮したもの」と表現している。
政治家経験のないトランプ氏は2016年、アイオワで行った予備選キャンペーンで、リンクの成功をアピールしたという。

リンクは映画『ある愛の詩』(Love Story)や、『セレンディピティ~恋人たちのニューヨーク~』(Serendipity)、トランプ氏がカメオ出演している『ホームアローン2』(Home Alone 2: Lost in New York)のロケ地としても使用された。

なお2019年秋に、スケートリンクの看板から「トランプ」の文字は消去されている