根尾や石川昂より「早くレギュラーになる」 周囲も認める中日19歳外野手の可能性

中日・岡林勇希【写真:小西亮】

昨季は2軍で優秀選手賞、同僚も認める才能「自分のタイミングで打てる」

昨季8年ぶりのAクラス入りを果たした中日では、悲願の優勝に向け若手の台頭が求められている。春季キャンプで注目を集めているのは、遊撃でのレギュラー奪取を目指してアピールを続ける3年目の根尾昂内野手。その一方で、周囲の評価を高めている高卒2年目の外野手もいる。

チームにとって今季初の対外試合となった13日のDeNAとの練習試合(北谷)。「2番・中堅」でスタメン出場した岡林勇希外野手は、3打数2安打と躍動した。10球粘って四球を選んだ打席もあり、与田剛監督は「どんどん経験を積んでほしい」と目を細めた。20日の阪神戦(同)では盗塁を成功させるなどアピールを続ける。

三重・菰野高時代に最速153キロを誇ったエース右腕は、2019年ドラフトで5位指名を受けて入団。走攻守での非凡なポテンシャルから外野手に転向した。ルーキーイヤーの2020年は2軍戦で64試合に出場し、打率.285、15打点、4盗塁をマーク。ウエスタン・リーグの優秀選手賞を獲得し、1軍舞台も6試合経験した。

成長ぶりは同僚たちも認めるところ。選手会長の京田陽太内野手は「球をコンタクトさせるのが上手い。自分のタイミングで打てているなと見ていて思いますし、タイミングが合わなければファウルで逃げることができる。イメージだけで言うと、大島さんみたいな感じですかね」とも。2年連続最多安打を獲得したベテラン安打製造機を引き合いに、秘めたる才に目を見張る。

“ポスト大島”が叫ばれる外野陣、ルーキー三好とともに台頭なるか

根尾だけでなく、2019年ドラフト1位の石川昂弥内野手や、オフに楽天・浅村栄斗内野手に弟子入りした大砲候補の石垣雅海内野手ら期待の若手野手は多い。ただ、内野陣はレギュラーが現状で固定されており、関係者の中には「もしかしたら、根尾や石川よりレギュラーを獲るのは早いかもしれない」と期待する声もある。

今年36歳を迎えるリードオフマンは衰えを知らないとはいえ、“ポスト大島”が叫ばれている外野陣。右翼には平田良介外野手がいるものの、昨季は不振や故障などで55試合出場にとどまった。今キャンプで存在感を見せているドラフト6位ルーキーの三好大倫外野手(JFE西日本)とともに、若手候補のひとりとして岡林は外野の一角をうかがうことになる。

打撃では同じ左打者の立浪和義・臨時打撃コーチ、走塁では荒木雅博・内野守備走塁コーチから手取り足取り指導を受け、スポンジのように吸収。対外試合の前に「結果も大事だが、走攻守、今やっていることを実戦でもできるようにしたい」と語っていた通り、積極果敢な姿を見せる。22日に19歳を迎えた伸び盛りが、竜のレギュラー争いを賑やかにするかもしれない。(小西亮 / Ryo Konishi)

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