80スープラのエンジンを載せたGRヤリスだと!? クスコ GR YARIS for DRIFTを写真と共にチェック!

近年稀に見るホットハッチとして評判の高いトヨタ GRヤリス。ただでさえ刺激的なGRヤリスになんと80スープラのエンジンを搭載させてドリフト仕様にカスタマイズしたのが、老舗チューニングメーカーであるクスコが手掛けた「クスコ GR YARIS for DRIFT」だ。早速、写真と共に徹底解剖していこう!

クスコ GR YARIS for DRIFT

4WDを捨てドリフト仕様の2WDへ

クスコ GR YARIS for DRIFTは車高調などのチューニングパーツに定評のあるキャロッセのクスコブランドが製作したドリフト専用マシン。このマシンは本来出展予定だった東京オートサロン2021が中止になったため、オンラインのバーチャルオートサロンにて紹介された。

ベースのGRヤリス RZグレードの駆動方式は本来4WDだが、今回はドリフト専用車としてあえてFR駆動(後輪駆動)に変更。エンジンはA80型スープラに使われていた2JZ-GTEにHKS製のアップグレードキットを使用したものに換装し、最大パワーは約900psと恐るべき数値を叩きだしている。

そして足回りはクスコ製の車高調キットが使われるなど、市販品が多く採用されているのも大きな特徴だ。

小さい体に本気のドリフト装備

インパクトの大きいフロントリップとフロントフェンダーなどのエアロキットはPANDEM(パンデム)のものを使用し、タイヤサイズもワイドフェンダーの装着と共にフロント245/40R18、リア265/35R18に拡大。

そしてフロントタイヤはドリフト時のコーナリング性能を高める為、フロントから見るとタイヤが“ハの字”になるマイナスのキャンバー角が付けられているのがわかる。

クスコお馴染みの赤とグレーのカラーリングはGRヤリスの白いボディに良くマッチし、躍動感が感じられる。

ホイールは軽量なスポーツホイールであるENKEI(エンケイ)PF09を使用。シャープな9本スポーク、ガンメタカラーのシックな雰囲気も良いアクセントになっている。

通常最前部に設置されているラジエーターは、車重バランスを保つためにリア部に移設。リヤクォーターウインドウ部に取付けられたダクトから走行風を得て、ラジエーターコアに風を当てる。

そして、コア背部の電動ファンによって空気を強制的に引き抜き冷却させる仕組みになっているのだ。

巨大なPANDEM製リアウイングは過激なドリフト走行でも車体の安定を保ち、コースアウトなどのトラブルを防いでくれる。

FR化したGRヤリスを制御するデフは、脱着分解する事無く容易に最終減速比を変更できるクイックチェンジ式のものを搭載し、メンテナンス時間を大幅に短縮した。

サスペンションはクスコ製の「ドリフトアングルキット(テンションロッド、ロアアーム、アップライト、タイロッド)」を装着。タイヤの切れ角を増すことで操舵性に余裕を持たせ、より角度の付いたドリフトを行うことが可能だ。

エンジンは直列3気筒ターボのG16E-GTS型から、A80型スープラに使われていた2JZ-GTEに換装し、HKSの3.4Lアップグレードキットによりパワーアップ。さらにギャレットのG35タービンを装着することにより、最高出力900psまで上昇したモンスターエンジンとなっている。

内装はストイックなドリフトスペシャル仕様

内装は余分なものは省かれ、極限まで軽量化。センターコンソールに位置するボタン類は、エンジンスタートやライトのON・OFFなど必要な機能を最小限にまとめられた。

スイッチングのほかにブレーカーボックスの役割も兼ねており、電気系統の管理は全てここに集約されている。

シートはホールド性があり、ライトユーザーにも定評のあるBRIDE(ブリッド)のフルバケットシート XERO VSを装着。GRヤリスのような車内空間の広くない車種にも難なく取り付けられるコンパクトな設計が特徴だ。

全開走行が求められるドリフトは、事故などが起きればドライバーへの衝撃は計り知れないためロールケージの装着は必須。クスコ GR YARIS for DRIFTは車体に溶接で固定されており、さらなる安全性の向上とメリハリの効いた運動性能が期待できる。

© 株式会社MOTA