ワクチン接種は足柄上5町で 大井、山北町に会場 神奈川

新型コロナワクチンの集団接種に向けて連携する足柄上郡5町と足柄上医師会関係者ら=山北町健康福祉センター

 新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、神奈川県西部の足柄上郡5町(中井、大井、松田、山北、開成町)は22日、65歳以上の集団接種を共同で実施し、大井、山北両町に2会場を設置する方針を決めた。5町は同日、足柄上医師会との間で集団接種に関する覚書を締結した。

 足柄上地域では大規模な医療機関が少なく、小規模な診療所が地域医療を支えているのが実情。各町単独で医師の確保が困難なことから5町で共同接種を実施することを決めた。65歳以上の2万395人を対象に4月からの集団接種をスタートするとしている。

 4~6月にかけて大井町総合体育館(同町金子)をメイン会場に、山北町健康福祉センター(同町山北)をサテライト会場として設置する。同医師会に所属する約90人の医師のうち約半数が接種に協力。大井町会場は週3日のペースで開設し、1日10人程度の医師と看護士を配置。1日最大約360人の接種を見込む。

 接種の予約を受け付けるコールセンターも5町で3月中旬に共同で設置。接種券を3月から発送し、接種希望者はかかりつけ病院での個別接種か集団接種を選択できるという。

 松田町では山間部の住民のための接種会場を独自で設けることも検討。山北町や中井町では接種会場までバスなどでの送迎実施へ調整している。

 同日の覚書締結式には5町の首長と足柄上医師会の飛驒康則会長が出席。山北町の湯川裕司町長は「小さな町が単独で集団接種をするのは難しい。ようやくワクチン接種に向けた一歩が始まる」と期待。飛驒会長は「ワクチンの副反応のリスクも少ない。安心して接種を受けてほしい」と呼び掛けた。

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